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脛を押さえて悶えている俺を冷めた目で見ている真由ちゃんは女王様のようだった。
「アンタ馬鹿?」
「ば、馬鹿って…」
「黙ってろ馬鹿」
「は、はい」
思わず敬語になる俺。真由ちゃんは溜息を吐いて腕を組んだ。俺はチラリと周りを見る。忘れてたけどここは校門だ。しかも真由ちゃんは可愛いし他校の生徒だ。注目されない筈がない。そう思って周囲を見たら、皆顔を青くしていた。……うん。
「聞いてんの?」
「き、聞いてるよ!」
慌てて真由ちゃんの方を向く。真由ちゃんは再び溜息を吐いて、口を開いた。
「私がここに来たのは、アンタに手伝って貰いたいことがあるからなの」
「手伝って貰いたいこと…?」
一体何だろう。真由ちゃんと俺の共通点って言えば優治先輩だけど、優治先輩絡みのことだろうか?
「来週の日曜日、お見合いパーティーがあるわ」
「ぱ、パーティー?」
流石金持ち…。
「そのパーティーの後に、ダンスパーティーがあるの」
「ダンス!?」
お見合いって、静かにやるイメージがあるんだけど、パーティー やる上にダンスって。やっぱり金持ちは違うな。
……で、それで俺に何をして欲しいんだ?
「それに、アンタも来て」
「え?」
一瞬何を言われたのか分からず、目を丸くする。俺がそのお見合いパーティに行く理由が良く分からないんだけど。真由ちゃんは大袈裟に肩を竦めて言った。
「ダンスとか踊りたくないし。アンタがパートナーって言えば、踊らなくて済むでしょ。アンタがパートナーって思われるの嫌だけど」
さり気なく酷いことを言われたぞ。
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