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……えっ、誰だ?
固まって美少女を見つめていると、ばちりと視線が合う。美少女もじっと見返してきたあと、微笑む。どきりと心臓が跳ねた。
「…真由」
「えへへ、遊びに来ちゃいました」
「……俺は今暇じゃねえんだ、出て行け」
「ちょ、そんな言い方…」
不機嫌を顕にして美少女――真由と呼ばれた子を睨む。びくりと肩を跳ねさせて傷ついた顔をする真由ちゃんを見て優治先輩を咎めた。
「ええと、真由ちゃん? 出ていかなくていいよ」
「はあ?」
俺の言葉が気に入らなかったのか、真由ちゃんに向けていた視線をこっちに移してジロリと睨んだ。
「本当ですか!?」
対して、真由ちゃんはぱあっと顔を輝かせる。それに笑い返していると、手首に痛みを感じた。小さく声を漏らして手を見ると、優治先輩が俺の手首を掴む力を強めたのだと分かった。……って、あれ? 優治先輩が手首を掴む力を…。
う、うわああああ! 俺まだ両手首掴まれたままだった! しかも顔の距離が普通に会話する距離じゃない! 冷や汗がどっと出て来て、慌てて手を話して欲しいと訴えかけた。
俺の視線に気づいた優治先輩が渋々と手を放す。むすっとしているから罪悪感を感じたけど、こんな可愛らしい子を傷つけたくないぞ、俺は。
「ッチ…」
「あの…優治お兄様」
「……はあ。ったく、大樹が言うから許してやるけど、すぐに帰れよ」
「はっ、はい!」
流石優治先輩。女の子にも容赦ない言葉。
真由ちゃんはドレスの裾を持ち上げて小走りで近寄ってくると、綺麗に一礼をする。
「初めまして、金本真由と申します」
「あ、俺は高浜大樹です」
立ち上がってぺこりと礼をする。真由ちゃんは始終にこにこしていて、本当に可愛らしい。優治先輩の横に並ぶと美男美女で目の保養なんだろうな。
ところで優治先輩とどんな関係なんだろう。お兄様って言ってるし、妹?
「ええと、優治先輩とは…?」
「従兄妹だ」
優治先輩はぶっきらぼうに言い放つ。まだ機嫌が直っていないらしい。
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