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すっきりした俺を見て、優治先輩が飽きれた顔をする。
「って、そうじゃねえよ。何で黙ってたんだ」
「…まあ、一回だけだったし…」
「一回でも言え」
いいか、と問われ、俺は無言で頷いた。優治先輩は一瞬だけふっと笑うと、顔を引き締めた。
「……俺様が撒いた種だ。京には、俺様がちゃんと話をつける」
「…大丈夫ですか?」
「大丈夫に決まってんだろ。俺様を誰だと思ってんだ」
俺が不安そうな顔をしていたからか、優しげに俺に笑いかけてきた。京が優治先輩に力で勝てるとは思っていないが、怪我しないだろうか。俺も一緒に行きたいと言ったら反対されるだろうなあ。まあ邪魔になるだろうし、大人しく優治先輩に頼んでおこう。
「よし、そろそろ始めようぜ」
「あ、はい」
優治先輩が鞄から教科書や筆記用具を取り出す。俺もそれに倣って色々取り出す。とりあえず苦手なものから始めようと思う。まずは数学だ。ちらりと優治先輩の手元を見ると、古典の教科書だった。次いで顔を見ると、少し嫌そうな顔をしていた。
「古典苦手なんですか?」
「…まー、苦手っつうか。やる必要性がなくねえ? 昔の言葉なんて分かってもな」
「……そう言えばそうですけど」
俺は苦笑する。優治先輩の反応を見る限り、苦手というより好きじゃないということだろうか。俺も特別好きではないけど、読んでて楽しい時はある。まあ作品によるな。
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