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でも俺が優治先輩を傷つけてしまったのは変えようのない事実だし、このタイミング。言っていることは本当かもしれない。
「おい! なんとか言えよ!」
「っ…!」
京が俺の腕を掴む。相変わらず馬鹿力だ。気を付けてと朝郁人に言われたばっかりだってのに。
「は、はな」
「優治に何をした!」
「…分かったから、とりあえず放してくれって」
「今日おれは優治に会えたはずだったのに!」
ぎりぎりと手が痛む。会えたはずだったのにとは一体どういうことだ。予定があったのに、優治先輩が来れないということか。だから、今日来ていないと知ってるのか。でもなんですぐに俺って分かったんだ。優治先輩が言うはずないだろうし、真由ちゃんだって話すわけがない。そもそも真由ちゃんは京のことを嫌っていたようだし。
「…何で、優治先輩が来てないって分かったんだよ」
「おれは優治のことはなんでも知ってる!」
む、とする。優治先輩の名前を呼び捨てで何度も呼んでることもだが、何でも知ってるなんて、ちょっとむかつくというか…。
「例えば」
「優治はおれのことが好きだ!」
「それは優治先輩から直接言われたのか?」
確かに優治先輩は京のことが好きだったようだけど、俺に相談してたくらいだから告白はしてないと思う。俺は、じ、と京を見つめる。
ていうかいい加減手を放してくれ。
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