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瞬時に意図を理解して、にやりと笑う。
「いいの?」
「はっ、はい!」
「有り難うね。座らせて貰うよ」
最大級(僕的に)の笑顔を浮かべると、先程よりももっと顔を赤くして、慌てたように僕に頭を下げると、走り去ってしまった。僕は笑いを堪えながら、モトヤを見ると、モトヤは固まっていた。Yは肩を竦めて、ニヤリと笑った。僕があの子たちを揶揄ってたのに最初から気づいてただろう。
……で、モトヤは何で石みたいになってるのかな?
「モトヤ?」
声をかけると、はっとしたように目を見開いて、むすっとした顔で三人が出て行った方向を睨む。
「ほら、モトヤ、座ろうよ。ヤオトも」
「…ん」
「はイはいっと」
漸く席に座って、機械を手に取る。魚を食べたいところだけど、今日は違う物にしようかな。とは言っても、どんなものか分からないからなぁ。分からないのを食べるのもドキドキして面白いけど、今は生憎そんな気分じゃない。それに、未知の物は無理矢理食べさせた方がもっと面白いしね。ここにヤマネがいたらな、と頬杖を付く。
そういえば、和食と中華って何だろう? 僕は和食のボタンを押して、メニューを眺める。知らないものばかりだ。
「ねえ、ヤオト。これは何?」
「あァ、それは刺身だナ」
「さしみ…」
何だか"さしみ"って言い難い。
「で、それはどういうの?」
「一言で言うと、生の魚」
「生?」
驚いた、魚を生で食べるのか。お腹を壊しそうだし臭そうだ。魚好きの僕でも、生では食べようと思ったことはない。
……よし、これにしよう。興味がある。リスクはあるけど、それもまた一興だ。
僕はわくわくしながらボタンを押した。
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