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 まあそれで編入当日、一番最初に会ったすげー綺麗な奴が副会長の琉生なんだ! ニコニコ笑ってんだけど、でもそれが作り笑いだと違和感を覚えた俺は言ったんだ。「その気持ち悪い笑みやめろよ!」それに一瞬驚いた琉生は次にはホントの笑顔を浮かべた。

「これを気づかれたのは初めてだよ」

 そんなことを言うから琉生のまだ見知らぬ友人に腹が立った。近くにいて気づかないとか友達じゃねえだろ! まあ俺が分かってやったんだしいいよな!
 そして何故か琉生はキ、キスしてきた! 俺はホモじゃないんだって! でも綺麗な顔とキスしたのかと思うと真っ赤になってしまった。
 琉生が言うには親衛隊って奴らの所為で表立って友達ができないらしい。顔がいい奴、特に生徒会や風紀委員会に近づけば親衛隊の標的になってしまって苛められるらしい。最低だよな! 俺は親衛隊の奴らに激怒する。そう言えば琉生は一瞬顔を歪ませた後嬉しそうに笑った。(あれ?)






 琉生に案内されて理事長室(そういやあ理事長は俺のおじさんなんだぜ! すげーだろ!)に行き、少し話をしてから自分の部屋に向かった。どんな奴なんだろ。ワクワクと胸が躍る。俺は友達作るの上手いから絶対友達になってくれる筈だ!
 「アイツが同室か……。カズマ、気をつけるんだよ」よく分からないことを言っている琉生をあしらって早々と部屋に入る。
 そんときに会ったのが隆一なんだ! いきなり殴りかかってきてビビったけど俺実は喧嘩強いから直ぐに床に叩き付けた。隆一は目を見開いて驚いていたけど、俺はそのまま自己紹介を済ませた。俺に近づくなとか色々言われたけど「俺たちもう友達じゃん!」と言ったら隆一はまた驚いて小さく笑った。(備考。隆一は美形だった)









 それから同じクラス(因みにB組だ)の恋っていう爽やかな奴と友達になって、食堂では美形揃いな生徒会の奴らとも仲良くなった。会長の尋は最初は印象悪かった。だっていきなり「オタクかよ」って言うんだもん! 俺はオタクじゃねーし!

「人を見た目で判断すんな!」

 そう怒鳴ると外野(多分親衛隊だろう)がギャーギャーと煩かった。別に俺変なこと言ってねえだろ!

「へえ、お前気に入った。セフレにしてやる」

 せ、セフレとか言ってきてここにきて二回目のキスをされた。傲慢な言い方に腹が立って思わず尋の腹を殴った。殴られた後何故か益々気に入ったと言った尋はいきなり悪かったなと謝ってくる。ま、友達だし許してやるか!
 書記の煕はチャラいけど本当は寂しがりやなんだと気づいた。だからセフレなんているんだ! あと会計の泰は無口だったけど俺にはなにがいいたいかすぐに分かったんだ。すげーだろ?
 そんなこんながあって俺には友達が沢山できた! 親衛隊には睨まれたけど俺は負けねぇ! だって友達とか親衛隊の奴らが判断していい筈ないし!
 俺は今日は尋と煕と食堂へ向かった。そこに見覚えがある後ろ姿(つかめっちゃ目立つ!)を見つけて走り出した。

「おい、チェシャ!」

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