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熱に侵された体中が酷くチリチリとして痛い。冷たい吐息が耳にかかってぞくりと震える。 どうしよう、どうすればいい? 僕は痛む肩に顔を少し歪めながらグルグルと色んなことを考えていた。
「…っ、言ってる意味が分からないよ」
「え、だってさ、チェシャってあれでしょ、猫人間てやつ」
「――な、」
何で知っているんだ、と僕は目を見開いた。
「何で知ってるかって? そんなの決まってる。俺が神様だからだ」
「神様?」
神様だって? …莫迦莫迦しい。僕は鼻で嗤った。レンはそんな僕を見て爽やかに笑うと僕の肩から手を離した。いきなり支えを失った体が壁を伝って滑り落ちそうになるのを素早く持ち直した。
「チェシャ、取引をしよう」
「取引?」
軽やかに体を一回転させ、レンはズボンのポケットに両手を突っ込むと、にっ、と笑った。
「そっ、経緯は何にしろ、俺はチェシャの正体を知っている。そんで、俺は退屈で退屈で仕方ない。だからさ、俺も仲間に入れてくんない? ――ああ、勿論チェシャの協力をするんじゃなくて邪魔をするんだけどな?」
どう? レンは首を傾げて僕に問いかける。つまりレンはバラさない代わりに、と脅しているのだ。
それにしても邪魔をする方なのか。まあいいけどね。そういうのがあったほうが楽しそうだ。僕を娯楽に使うなんてやめてほしいんだけど…何て、僕が言えたことじゃないけど。
というか、レンの発言は確かに的を射ているけど、結局憶測でしかない言葉を納得する方が墓穴を掘ってしまうだろう。僕はレンを挑発するように睨んで口を開いた。
「――いくらレンが信用されているとしても、猫人間なんて存在、皆が信じると思う?」
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