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未だ固まっている彼を不思議に思いながら言葉を続けた。
「っていうかカズマって苦手なタイプなんだよね」
因みに一番苦手なタイプは帽子屋みたいな奴だけど。好きなタイプ(娯楽として)はキミみたいな奴だよ、りゅーいちくん。まるで眠りネズミのあいつみたいだし。
りゅーいちくんに顔を近づけて覗いてみた。…微動だにしない。僕は目前で手を振りながら声をかける。
「おーい?」
「…っ、何だよ! つーか、顔近づけんな!」
「いや、放心してたみたいだから」
手を組む相手を心配するのは当然でしょと言うと間抜けな声が聞こえた。「は?」
「って、誰が手を組む相手だよ! まだ俺はりょうしょ…、りょうしゅ、りょう、しゃく…」
「了承ね」
「し、知ってるっつの! まだ了承してねぇぞ!」
何というか、話せば話すほどヤマネに似てるな。喋り方とかもそうだけど。いいよね、こういう嫌そうな顔って。これからあのカイチョウさんたちの嫌そうな顔を見れるのかと思うと、楽しみで仕方ない。人の心底嫌がる顔って最高の快楽で逸楽だと思うんだ。
っていうか了承も分からないって大丈夫か、りゅーいちくんよ。
「カズマが誰かに恋をする前に気にかけて貰えばいいと思うんだ。だからまずは、そうだなー。見た目を変えてみるとか。どうかな?」
「お、おう、」
良く分からないという表情で肯う不良君に嗤いがこみ上げてくる。絶対この人騙されやすいよ。悪徳商法に引っかかるタイプだよ。
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