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僕は、あれ、と思う。レンにヤマネたちのことを話した覚えはない。
「……へえ、面白いじゃん」
僕は木から降りると、首を傾げて笑う。レンはそうだろ、と言って僕の手首を掴んだ。
「それじゃ、場所を移そう」
「僕はここでもいいけど」
「ここにチェシャがいるってこと知ってるやつが来たら嫌じゃん」
「僕と二人きりで話したいんだ」
「まあな」
さらりと返され、僕は内心げんなりとする。やっぱり反応がつまらない。
「……いいよ、じゃあ移動しようか」
放してくれる、と手を振るけど、レンは笑顔で手に力を込めた。僕は諦めて手の力を抜く。とりあえず、さっさとレンとの話を終えて別れよう。
レンは結局どこまで知っているんだろう。僕は空を見上げながらレンに引っ張られていた。
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