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 モトヤを呼んできてヤマネたちが戻ってくるのを談笑しながら待つ。暫くすると軽快な音が鳴ったから立ち上がって迎えに行く。
 ドアを開けると、真っ青なヤマネが視界に入った。

「ヤマネ、大丈夫なの?」
「ああ…」
「嘘つけ。今にも倒れそうじゃねえか」

 後ろでりゅーいちくんが呆れたように呟く。僕はヤマネの顔を覗き込んで笑う。

「僕のベッド貸すから寝てなよ」
「いや、いい。すぐに治る」

 僕は肩を竦めた。りゅーいちくんはもう何も言わない。ここに戻ってくるまでに散々言ってきたのかもしれない。

「それでヤマネたちはどこに行ってたの?」
「……高萩を捜してた」
「高萩?」

 ああ、Yのことか。……Yのこと、知ってるんだ。
 僕は首を傾げる。何でYを捜しているんだろう?

「Yとは会えたの?」

 ヤマネは答えない。代わりにりゅーいちくんが口を開く。

「今は家に帰ってるみたいだぜ」
「ふうん、家ねえ」

 Yの家ってどこなんだろう。いや、っていうかそもそも家あるの? どんな家なのかちょっと興味あるな。

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