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「……あれ、アクションやるって言ってなかったっけ」
「ん、ああ。そっちの方が良かったか?」
「いや別に。…それで、コントローラーは四つあるのか」
おう、と答えた御手洗は、じろっと了を見て、言った。「お前もやんのか」その言い方が気に障ったのか、むっと唇を尖らせる了。
「何、俺がやっちゃいけないわけ?」
「んなこと言ってないだろ」
「お前ら、仲良くせーちゃ。杷木が退屈しとるやろ」
はっとした顔をした了と御手洗は同時に俺の方へと顔を向ける。ぼーっとしていた俺はちょっとびっくりして数回瞬く。そして苦笑を浮かべる。
「早くやろーぜ。俺のせいで遅くなったし、あんまり時間ないだろ」
「そうだな。ちょっと座って待ってろ。準備すっから。おいお前手伝え」
「はあー? 命令しないでくれるー?」
不満そうな声を上げた了だったが、あ、と俺を見ると、ぎこちない笑みを浮かべて御手洗の方へと寄った。
「杷木、ここ座っとき」
「ああ、ありがと」
椅子を引かれ、ありがたく座らせてもらった。一も隣に腰掛け、言い争いながら準備している二人を生暖かい目で見守っている。その様子は宛ら父親のようだった。
……それにしても、腹減ったな。ぼんやりとそんなことを思っていると、一が俺を一瞥した。
「杷木、腹減ったか?」
「え!?」
「ん?」
何で考えてることが分かったんだ!? 吃驚してまじまじと一を見ると、不思議そうな顔をして首を傾げられた。
「な、何で?」
「いや、俺が腹減ったけん」
どうやら俺の考えていることが分かったわけではないらしい。タイミングすげえな。
「うん、腹減った」
「後で食堂行くか?」
「……食堂は、ちょっと」
俺は小笠原さんの話を思い出した。俺を狙っている奴がいたとして、了たちを巻き込んだらと思うとな。それに、そんな状況でゆっくり食事もできないだろうし。
だから少しの間、食堂は行きたくないなと思って眉を下げると、一は追及せずただ分かったと頷いた。
「や…――千尋ー! 準備できたよー!」
了がこっちを向いて手を振った。おいお前今泰って呼ぼうとしただろ。俺がじとりと睨むと、了は笑顔を固まらせて手でごめんのポーズをとった。まあ完全に呼んだわけじゃないからな。俺は小さく溜息を吐いて、立ち上がった。
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