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了曰く、書類を提出しに行った時に御手洗とせんせーが言い争っているのを見たらしい。そしてそれから俺を探してくれた、と。恐らく会長も罪悪感を感じているんだろうな。心の中で礼を言って、メールを開く。どれも場所を訊ねるものだった。とりあえず今から部屋に向かう、と送っておこう。
「えー泰くん、御手洗のとこ行っちゃうの?」
俺の携帯を覗き込んできた了は不満げに言葉を漏らす。口を尖らせて肩に手を回してくるのを俺は溜息を吐きながら見た。
「重い」
「えっ、重かった? ごめん…」
しょんぼりとする了。…そんなに落ち込むなよ、これくらいで。口に出しかけてやめる。言ったら面倒なことになりそうな気がした。
俺は了の腕を掴み、引っ張る。目を丸くする奴い笑みを向けた。
「了も行こうぜ」
「…! うっ、うん!」
目を見開くと、嬉しそうに顔を綻ばせた。それだけで何故だか心が温まり、むず痒くなった。
「杷木! お前…!」
勢い良くドアを開けた御手洗は、何かを言いかけたが俺の顔をジロジロと見てはあ、と息を吐いた。
「…心配、したぞ」
「ごめん」
ぎゅっと抱き締められ、笑みが漏れる。そして御手洗の後ろにいる人物と目が合った。少し強ばった顔の一だ。
「一」
来ていたのか、と言う前に一が口を開く。
「大丈夫なんか?」
「ああ、大丈夫」
どうやら一にも心配をかけていたらしい。安心させるように笑ってみせると、ホッとしたように顔を緩ませた。
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