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 沖田さんは暫くゲームとテレビを交互に見て、興味を失ったようにゲームのコントローラーを放り投げた。げ、やばい。

「うおっとぉーい!」

 瞬時に投げ出されたコントローラーを捉え、激しいスライディングをしながらしっかりとそれを掴む。おおお、ナイス新八さん! もう臨終するかと思ったよそのコントローラー。

「あぶねぇだろ!」

 新八さんは叫んで憤慨しているのと対照に沖田さんは面白そうに笑んだ。私は床に視線を遣って目を見開いた。

「うぉおおおおい」

 先程新八さんが持っていた漫画が折り目を沢山付けながら床に転がっていた。因みにこの漫画、今まで読んだ中の漫画で一番好きなものだ。

「あ、わりぃ」

 新八さん、お前えええええ。
 てへ☆と舌を出しながら首を傾げる姿はこの世のものとはいえ到底思えない程おぞましい。ぞわりと鳥肌が立った。流石の沖田さんも少し顔を引き攣らせてすぐに視線を外した。なるほど、沖田さんを黙らせたかったらこの世のものとは(略)を見せればいいのか。平助くんは真っ青になってしまっていて、原田さんといえば……ゲームカセットを入れているケースを開けるのに悪戦苦闘していた。ちょっと原田さんあなたフリーダムすぎやしませんかね? てかそのケースそこ開かないから! そのままだと壊れるから!
 後に沖田さんが語る。

「あんなに気持ち悪くなったのは最初に人を斬った時以来だよ」

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