赤髪さんが何か空気なんですけど


「ここは未来だ」

 いきなり未来だと言うと混乱しちゃうっていうかまず信じないしやめたほうがい…って新八さんお前空気読め!

「はあ? 未来?」

 ポニーテールの茶髪が眉を顰めて新八さんを見る。もう一人の茶髪は興味深そうに私と新八さんを観察している。

「そーだ、年号は平成らしい」
「それはその子に聞いたの? しかも信じちゃったわけか」

 私を射るのは流石侍の時代に生きていた人だと思わせるような鋭い視線だった。ニコニコと笑みを浮かべているけど瞳の奥はどす黒く輝いていた。今にもその子の言ってることは嘘だよ、と笑んで刀を抜きそうな雰囲気だ。

「証拠だってあるんだぜ」
「あっ、そういやこれ何だ!?」
 黙って茶髪と新八さんの会話を聞いていたポニーテールが急に私を振り返って携帯を目の前に持ってきた。ああ、携帯忘れていってたのか。

「それは携帯電話です」
「けいたいでんわ?」
「離れてる人に簡単に手紙を送ったり話したりできるものです」
「えっ、これだけで!?」

 信じられないと言いながらマジマジと携帯を見るポニーテールは再び声を上げた。

「じゃあさっきのって俺は誰かと話してたのか!?」
「さっきの?」
「変な男の声がした」

 もしかして、否もしかしなくとも変な男と言ったら久和しかいねえ…。というかそもそも私に電話をかけてくる男は一人しかいない。

「ちょっと貸してください」
「あ、お、おう」

 携帯を受け取ると、私は通話履歴を見る。答えは言わずもがな。

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