白龍とアリババ

好きだと言われた。あの白龍に、だ。
頭が真っ白になる。伝える気は毛頭なかったと申し訳なさそうに、けれど気持ちを曲げる気もないとか何とか、聞こえた気がする。

呆然と俺が何も言えずにいると「冗談なんかじゃありません、」という声が聞こえた。
分かってるよ。お前、冗談苦手だもんな。

ふるふると震える睫毛を見ながら彼を傷つけない答えは一体何だろうかと悩んでいた。


20120405/16:54


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