2014仁王雅治の冬の話(`v´)


(`v´) #1 みかん

「…ほれ、ええよ」
「ん、ありがと。半分こね。はい」
「おう」
「ってかすっげぇキレイにオレンジなんだけど」
「みかんじゃけぇ」
「ちがくてー。白いとこもぜーんぶむいたの?!」
「?いつもむいてる。気になるんじゃろ?」
「白いスジは栄養があるから、食べたほうがいいんだC〜」
「は?」
「この白いの、アルベドって言って食物繊維やビタミンが豊富なんだって」
「……前は、白いのやっきになってむいてたのに。誰かに何か言われたんか?」
「んー。みかん農園のおっちゃん」
「ハイ?」
「このみかん、先週の日曜にみかんがりいったときに貰ってきたヤツなんだよねぇ」
「いつの間に…」
「味見んとき、めっちゃ白いとこむいてたら、農園のおっちゃんが教えてくれた」
「ほ〜。もう気にならんの?」
「んー。それまでは気にしてたけど、栄養をわざわざ捨ててるんだって思ったら、気にならなくなった」
「まぁ、気にならんならええけど」
「それに、仁王だってあんまむかないじゃん?」
「俺はめんどいけん、皮むいてそのまま食うクセがついとるんよ」
「でもオレのはしっかりむいてくれてる」
「それは別に面倒でもない」
「…えへへ、ありがと。けど、今日から皮だけで、白いの細かくとらなくていーよ」
「ん。わかった」
「ってことで、もう一個食べよーっと」
「ほれ、よこせ。むいちゃる」
「は〜い」

―仁王くんは慈郎くんに対してのみ世話焼きなので、毎回みかんむいてあげるのです。
オレンジは果物ナイフで器用にむいて、まるでフルーツパーラーで出てくる盛り付けで出すんだとか。
かいがいしく世話やくのが好きなようです(慈郎くん限定で)。
ちなみに慈郎くんのみかんがりは、静岡にある跡部農園で行ったそうで。







(`v´) #2 もこもこスリッパ

「寒〜い。急に寒くなってきたよ〜」
「だからって着込みすぎ…」
「この前まで短パン素足で平気だったけど、もうだめだー」
「で、その足元のふわふわしたもんは?」
「う?」
「履いとるモンだけ、やけに違和感…」
「かわいーっしょ。中はヒツジの毛でぽわぽわ」
「…ウール?」
「もっこもこルームシューズだC!」
「冬用のスリッパ言うことか」
「えへへ、商店街のくじ引きで当たったんだよ。ちょーあったかい」
「良かったな」
「はい、どーぞ」
「…?」
「ペアで当たった」
「今履いてるブルーと、そのオレンジのスリッパがセットなんか?」
「そうで〜す」
「……チェンジ」
「ほぇ?」
「お前が履いてる方を寄越しんしゃい」
「やだ」
「好きな色、青」
「うん。仁王の好きな色だね」
「俺がブルー」
「や。オレだもん」
「お前の一番好きな色、オレンジじゃろ」
「でも青いルームシューズのほうがいいもん。オレ、こっち。仁王オレンジ」
「ブルーがいいナリ」
「オレだって青がいいナリー!」
「真似するんじゃなか。大人しくオレンジにしんしゃい」
「やーだ。いいじゃん、外で履くわけじゃないんだから。オレンジはいてくださいー」
「……譲らんの?」
「うん。ダメ。オレ、青」
「………絶対に、オレンジ履かんの?」
「履かんC〜」
「…………ほんまに、ほんまに?」
「ヤなら誰かにあげるからいいもん。そういや金太郎、オレンジ好きだったなー」、
「……………オレンジ寄越しんしゃい」
「はい、どーぞ」
「…………………ピヨ。頑固ナリ」

―仲良くペアのルームシューズで、この冬を乗りきることにした二人でした。
青色が良かったけど慈郎くんが譲らないので仕方なく。
けれど、後々に『青色のスリッパ履いてたら、仁王が帰ってくる前でも何となく一緒にいる気がする…かもしれないっしょ?』
なんて可愛い顔で呟かれたら、是非とも青を履いてくださいと思わずにはいられなくなる。
そう、お互い大好きなんです。







(`v´) #3 鍋

「鍋キ○ーブでいいよ?」
「別に、そんなに手間かからん」
「ぷちっ○鍋でもいいし。そっちの方が早いっしょ?」
「煮える時間は変わらんし、インスタント使おうがダシパック使おうが一緒じゃけぇ」
「ふーん。そっかー」
「それに、か○のやのダシが一番うまい」
「あ、それ、お母さんも言ってたC〜」
「ほれ、こたつ入ってテレビでも見てなっせ」
「お手伝いしますケド?」
「鍋じゃけぇ、そんなにすること無い。テーブル拭いときんしゃい」
「は〜い。…って、ダシパック、切っちゃうの?」
「おう。か○のやのダシじゃけん、中身使わんともったいなか」
「へぇ〜そっちのが味出るんだ」
「汁モンにはな」
「ほぉ〜。じゃ、よっろしく〜。なーべ、鍋〜♪」
「な〜べ〜。きのこー、えのき入れるナリ〜♪シイタケは飾り切り〜」
「や〜だ、やだ〜シイタケやだ〜。ネギもやだ〜」
「どっちも鍋の定番じゃけぇ、諦めんしゃい。いれるっちゃ」
「シイタケ焼いたほうがいいもん。鍋やだー」
「…肉詰めも、ホイル焼きも好きやのに、鍋だけ食えんのな」
「食べてるけど、好きじゃないC〜。ネギも焼いたほうがいいもん」
「ラーメンの白髪ネギ、好きっちゃろ」
「細長いネギは好きだけど、鍋のネギはにゅるっとしてるからヤー」
「にゅるって……」
「ねばねばー、とろとろ」
「トロロ、納豆、オクラ、モロヘイヤ」
「うん、好き」
「なんで鍋のネギだけダメやの……細長く切ってやるか」
「ニラ〜、キャベツ〜、玉ねぎにジャガイモも美味しいC〜とんこつー♪」
「モツ鍋と違うぜよ」
「えぇー」
「キノコのミゾレ鍋」
「ちぇ〜」
「モツ鍋は先週食ったばかりじゃけん」
「そうだった。じゃ、オレお手伝い〜。すりまーす」
「この量は結構な力仕事ナリ」
「ミゾレー!大根するするー、めっちゃする」
「後で俺がやっとく………ま、ええか。んじゃ頼もうかの」
「はーい」

―寒い冬にはよくお鍋を囲む二人でした(お鍋の歌はよく口ずさむのです)。
今晩は和風きのこ鍋。副菜は仁王くんが色々と作り置きしている惣菜を、冷蔵庫から取り出して。
仁王くんの家事の腕前は?―ひとまず料理に関しては、魚を三枚におろすところからジャムまで手作りしてしまうほどだとか。
ちなみにダシパック使っていますが、昆布、鰹節からわざわざとることもあるそうな。
最近は酵素玄米を始めようか検討中らしいです。







(`v´) #4 入浴剤

「え〜、シャワーでいいC〜」
「ダメ。明日休みじゃけん、ゆっくりはいってイチャイチャタイム」
「イチャイチャって……風呂じゃなくてもいいっしょ」
「せっかく風呂が広いマンションに引っ越した言うのに、お前はいっつも浴槽入らんと…」
「だって寝ちゃうんだもん」
「やから一緒に入る言うとる」
「風呂でヤりたくない〜。いっつものぼせて、その後ずっとダルイもん。やだ」
「誰も風呂でヤルとは言うてなか」
「今まで一緒に風呂入って、ヤらなかったことありましたっけ?」
「…はて、どうだったかのう」
「一人で入ってきなよ〜、その後すぐ、オレ入るし。シャワーオンリーだけど」
「塩か柚子、日本酒でもよかね。それとも、流行の炭酸風呂にするか?重曹と、クエン酸と―」
「は?何の話だよ。お酒でも飲むの?」
「入浴剤だっちゃ」
「あー、何でもいーんじゃないの?好きなの入れなよ」
「愛する人の好みのお湯にしてやりたいっちゅう男心ナリ」
「なぁにがオトコゴコロ…」
「ほれ、早よ決めんしゃい。酒?ワイン風呂?」
「…アルコールしばりになってるし。炭酸風呂ってなに?」
「しゅわしゅわするヤツ。血行・代謝促進でお肌にええんじゃと」
「肌って……女の子じゃねぇんだから」
「乾燥する今の季節にピッタリじゃけん」
「とうとう美容の分野にも手を出し始めたのか…」
「重曹と〜クエン酸〜、お塩を少々ナリ〜♪」
「歌いだしたし……はいはい、炭酸風呂ね」
「ついでに塩でマッサージしちゃる」
「はいはい、頼みますね」
「幸村に貰ったフランス土産の塩、使うか。ハチミツ混ぜて〜♪」
「…それも手作りなんだ。ったく、どこに向かってんだか」
「まーくんはパーフェクトな主夫ナリ〜」

―ゴキゲンな鼻歌で、キッチンでいそいそと準備する己のパートナーを見つめること数秒。
料理、洗濯、掃除、ええもう完璧な奥さんですとも。
さらには家のこと、保険、税金、日曜大工、財政管理、資産運用。家主、旦那さんとしてもパーフェクトな彼です。
仁王くんがいるから、慈郎くんはどんどん何もできない子になっていくような……
けど、慈郎くんが何かやろうとする度に、それを取り上げて全てやってしまうのは仁王くんなのです。
仁王くん的には、自分がいないと何もできない慈郎くんでいて欲しいと密かに思っているんだとか。







(`v´) #5 北極星

「あーさむさむ」
「ほれ、もっとくっつけ」
「せっかく銭湯で温まったのに、冷えちゃうねぇ」
「部屋戻ったら、風呂入りなおすか?」
「え〜。お風呂はもういいC〜」
「体があまり冷えるようなら、お湯だけでも入りんしゃい」
「は〜い。あ、コンビニ寄ってこー?」
「肉マン?」
「ぴざまーん」
「ロー○ン寄るか」
「セブンイレ○ンがいい」
「…ここからなロー○ンの方が近いじゃろ」
「中華まんはセブンイレ○ンがおいしーもん」
「ロー○ンのほうがうまい」
「えぇ〜?駅のセ○ン行こうよー。ついでにセブンプレミ○ムのアイス買う」
「寒いん違うんか…」
「部屋に戻ればあったかいでしょ」
「…ここから駅だと遠回り………ロー○ン」
「セ○ン」
「………よし、マンション1階のコンビニを妥協案として提案」
「サン○ス?」
「ピヨ」
「んー、ま、いっか。じゃ、早く帰ろ」
「手」
「う?」
「俺の右手はポケット中のカイロを握り締めている」
「あ、なんだよ〜カイロ持ってたの?」
「お前の左手、こっち」
「わっ…こら、ちょっと」
「こうしたほうが、あったかいナリ」
「イチャイチャタイム?めっちゃ大通りですが」
「人の目なんてどうでもよか。お前も気にしないっちゃろ」
「仁王はほんっっと、オープンだよね」
「俺が意識しなければ誰がどう見ようが何を言おうが気にならん」
「だね」
「いまこの空間には、俺とお前だけ」
「…は〜い」
「イチャコラタイム」
「はいはい、じゃ、手つなぎましょーかね。お星さましか見てないし?」
「ここには俺たち二人と、空でいっとう輝く北極星だけ」

―何?急にロマンチストになっちゃって。
そんな慈郎くんの呟きが響く冬空の下。
しっかりと慈郎くんの左手を握り、自身の右ポケットの中に突っ込んで寄り添い歩く、銭湯からの帰り道。
そのままマンションの1階コンビニに入り、お客さんにギョっとされましたが何のその。
店員さんは常連になりつつある、上のマンションに住む美形カップルの対応も手馴れたもので、相変わらず仲いいっすねーなんて言葉をかけるほどには交流があるようです。







(`v´) #6 こたつとはんてん

「みかんとコタツ……ザ・日本の冬って感じ」
「エアコンよりコタツの温さのほうがええじゃろ」
「エアコンついてますけど。しかも設定28度って」
「消したら寒いけん」
「…あっそ。設定ちょっと下げるからね」
「下げたら寒くなるからダメ」
「コタツが温いんでしょ?それだけでいいんじゃないの?」
「切ったら寒い」
「そうかなぁ。まだ12月だし、どっちかでいいと思うけど」
「寒さに強いやつはええのう」
「普通でしょうよ……てかそっちが暑さも寒さも弱すぎなんだC」
「おーさむさむ」
「エアコン消してまだ数秒だし」
「ソファんとこの青いの着るけん。取って」
「はいはい……なにこれ?」
「冬の定番、コタツのお供ぜよ」
「あー、ハンテンか。久しぶりに見たなぁ」
「ほれ、よこしんしゃい」
「どこで買ったの?よく売ってたね〜」
「こんなん、どこにも売っとらん」
「へ?」
「よう見てみんしゃい」
「?…………あ」
「プロ級の出来じゃけん」
「タグに『まさはる』……うち、ミシンなんてあったっけ?」
「最近買った。輝かしき作品第一号っちゃね」
「はぁー、ってか本当、どこに向かってんだか…」
「裁縫はそんなにやったこと無いけど、出来てしまう己の才能が怖いのう」
「…さいですか」
「お前のもある」
「はい?」
「ベッドに置いてあるけん」

―バタバタと小走りで寝室に入った慈郎くんに目に飛び込んできたのは、目にも鮮やかな橙色のハンテン。
ルームシューズの時は譲った仁王くんですが、自作のハンテンは青色を譲らず、慈郎くん用は明るい色で作ったそうです。
『みかんいろ〜♪』
今回は青を寄越せとは言わず、大人しく橙色のハンテンを着て、一緒にコタツに入った慈郎くんでした。







(`v´) #7 ちぢみほうれん草

「バターソテー、お味噌汁、胡麻和えにおひたし、ポタージュ?」
「メインはカレーとニョッキ」
「見事に緑色だねぇ」
「大量に貰ったけん」
「にしてもここまでほうれん草とは…」
「鉄分摂らんと」
「あー…そういや軽い貧血持ちだったっけ、仁王」
「今はそうでも無い。八百屋のおばちゃんが心配性っちゃね」
「おばちゃんの前で倒れたのって去年?アレは貧血じゃなくて二日酔いじゃなかったっけ」
「お前が出張中の時じゃな。確か3日くらい何も食うとらんかった」
「オレがいなくても食えっての……すきっ腹にアルコールね。そりゃダメージ大」
「いや、酒というより眠すぎて」
「は?それで、八百屋の前で寝てたってこと?」
「ほんの1時間くらいじゃけん」
「おばちゃんは『雅くん貧血持ちなのねぇ』って―」
「誤解をとくタイミングが」
「解けよ、早く。だぁから行くたびに仁王のこと聞いてくんの?」
「お前さん、八百屋行くんか?」
「行かねーけど、前通ると声かけられんの。んで、これ持ってけアレ持ってけって野菜くれる」
「優しいおばちゃんやのう。いつもまけてくれるし」
「商店街のおばちゃんたちのアイドルで、常連のイケメン主夫だもんね…」
「パーフェクトな旦那ナリ」
「はいはい……だからって自分のこと、養ってもらっている主夫だって言うの、どうなのさ」
「本当のころじゃろ」
「オレのほうが養ってもらってますけど」
「ふっ…どっちでもよか。お前はちゃんと仕事していて、俺は家でゴロゴロしちゅうに」
「パソコン一つで大金動かして、配当金物凄いことになってますけど」
「アレは趣味、暇つぶしぜよ。適当に金稼げて人付き合いが不要。最高のギャンブル」
「ほどほどに……あー、ま、いっか。好きにしなよ」
「定職は興味なか。お前と一緒にいる時間が減る。お前も仕事辞めたくなったら、辞めていい」
「その議論は終わったでしょ。オレはまだ働きたいの。仁王が家にいてくれるのはありがたいし、嬉しいよ?」
「……もう少し待つとするか。ま、一生暮らせる貯えはあるけん、この調子で増やして、一生遊んで暮らせるようにするか」

―今夜の夕餉は、八百屋のおばちゃんに大量におすそわけされた『ちぢみほうれん草』
緑色オンパレードな料理の数々に、カリウム過剰摂取だと呟く慈郎くんですが、そこはきちんと栄養学もかじっている仁王くんのレシピです。
それぞれの量はさほど多くなく、何気に他の食材をうまく使いバランスよく献立られたものなのだとか。
そんなグリーンな食卓でかわされる会話は、仕事辞めろ、やめない、云々。
さらに稼ぐ発言をかます仁王は最強のギャンブル運の持ち主。その昔、ラスベガスのカジノで、おもむろに座ったスロット数分間で数百万を当てたこともあったっけ。
なんて思い出す慈郎くんでした。







(`v´) #8 イチゴ

「林檎?洋梨?」
「ん〜」
「柿は、これで最後じゃな」
「う〜ん」
「冬至やし、柚子でデザートにするか?」
「んー、今は生のままのフルーツ、食べたいなぁ」
「さすがに柚子は生でよう食わんやろ」
「そうだなぁ、冬の果物。りんご、洋梨、柑橘か〜」
「あ、そういえばもう一つ」
「う?」
「イチゴ」
「!もうそんな季節?」
「八百屋のおばちゃんおすすめ」
「またおばちゃんに貰ったんじゃないだろうね?」
「くれる言うたけど、いつも貰うんも悪いけん、ちゃんと払った」
「なら安心。ったく、貢がれ慣れすぎなんだし…」
「贈答用の立派なモン、格安で売ってくれた」
「前言撤回。ったくもう」
「定価で構わん言うても、仕入れ値ぎりぎりで売ってくれる言うんじゃけ」
「…もうさぁ、それでデザートでも何でも作って、おばちゃんに差し入れなよ?」
「なんじゃ、お菓子にして欲しいんか?何食いたい?」
「オレじゃなくて!」
「別にええけど、お前は何食いたいん?言うてみんしゃい」
「え?んー、そうだなぁ。イチゴタルト?カスタードしいて……あ、でもミルフィーユもいいかも。パイ好きだC〜」
「よし、わかった」
「うん?作ることにした?」
「とりあえずコレは今洗ってくるけん、そのまま食いなさい」
「は〜い」
「デザートは別に作っちゃる」
「やったぁ!何する?タルト?パイ?あ、でもおばちゃんならカップデザート的なものがいいのかなぁ?プリンとか、固める系?」
「小さめのタルトとパイ。けどフィリング用に煮詰めるものは、こういう甘いのより小ぶりで酸味がある苺の方が味がええんよ」
「へぇ〜そういや丸井くんも同じようなこと言ってたなー。あんときはアップルパイだったかな」
「丸井……いつ会った」
「へ?いや、違う違う。昔だよ、まだ学生のとき。よく丸井くん、お菓子作ってたっしょ?」
「…ならいい」
「はいはい、じゃ、苺食べるから」
「洗ってくる」

―お願いしま〜す!
キッチンへ向かう仁王の後姿に声をかけ、あと一歩で機嫌を損ねるところだったと安堵する慈郎くん。
そう、仁王くんはめちゃくちゃヤキモチ妬きなので、慈郎くんが誰かと会うことに難色を示すのです。
跡部くんは保護者、向日くん&宍戸くんは幼馴染、と元氷帝のメンバーに対しては割り切っているようですが、こと立海になると…
特に当時、芥川くんが全身で好意を表現していた丸井くんには、ことさら心が狭くなるようで。
仁王くんの主夫スキルは日々磨かれデザートにまで手を伸ばし、パティシエ顔負けの腕前にまでなっております。
これも一重に、慈郎くんの笑顔のため。











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2014仁王誕が間に合わず、それでも何かお話を…!
という思いで、2014年12月半ば頃にUPしていた即興話でした。
これが終わるころに仁王誕を―という予定がズレにズレてしまい、年が明けてしまいました。

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