二つ目は・・・

**ちゃん、お料理が苦手です。

新八くんのお姉さんのお妙さんとはまた別物。

見た目は美味しそうなんだけど・・・味が、ね?美味しくしようと試行錯誤しているうちに収拾がつかなくなって大変な事になるタイプ?

初めてお弁当を作ってきてくれた時は、ビックリした。

『美味しい?』

『う、うん。美味しいよ。一緒に食べる?』

『いっぱい味見したからいらないよ』

と言われた。

味見の段階までは美味しかったんだろうか?味覚音痴では・・・なさそうだし。

僕は息を止めお弁当をかっこんだ。


そして数日後・・・事件が起きた。

彼女が差し入れを屯所に持って来たのだ。

局長をはじめ、皆大喜びで。一斉に食べ始めた。

どんどん青ざめていく隊士達の顔・・・

でも、ニコニコ顔の**ちゃんを前に残すことはできないから、半ば拷問をされているかの様な表情でかっこむ。

副長は、いつもより5割増しでマヨネーズをかけて黙々と食べているし。


やっと食べ終え、各自休憩中、僕は隊士達と木陰で休んでいる。

隊士A『**ちゃんの料理・・・ヤバイよな』

隊士B『よく(男は胃袋で釣る)っていうけどさ、あの料理じゃ男は逃げるって』

隊士C『山崎さん、もし結婚なんかしたら毎日あの料理食べることになるんですよ?俺は耐えられねェわ・・・』

『まぁ、確かに美味しくないんだけどね。でも・・・』

と言いかけた時、背後に気配が・・・

眉間に皺を寄せ呆れ顔の副長と、悲しそうな表情の彼女が立っていた。

『お前ェ等、休憩終了だ。さっさと業務に戻れ。・・・**、まだ時間あるんだったら、あんみつ奢ってやるから帰り支度して来い』

と言いながら彼女の腕を引っ張り連れて行く。

『お前バカとしか言いようがないですねェ・・・終わったな』

隊長は胃薬を飲みながらいつのもドS笑いではなく本気で呆れていた。


彼女はその後屯所に来なくなった。

僕からのメールや電話にも

『仕事が忙しい』とか『今日は疲れたから』

と理由をつけて逢ってくれなくなった。


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