自分の客が帰り、しばらく残った酒を煽っていると、TOSHIが他のテーブルに呼ばれ席を立った。
するとSOUGOは徐に彼女の隣に座り、GINに他のテーブルにヘルプに着くよう促した。
『ここからは俺が仔猫ちゃんの相手をしやす』
と名刺を渡す時に、軽く手を触れた。
彼女の名は、**。
身に着けている物は、地味ではあるが品がありそれなりに高いものだと解った。
男慣れしていないのか、SOUGOの甘い囁きに顔を真っ赤にさせていた。
「こういう女程、堕としやすい」
**を自分に夢中にさせるべく、巧みな話術で彼女の心に侵入していく。
『SOUGOさん、ご指名が入りました』
店長がそう告げると、SOUGOは**の耳元に唇を寄せ
『三日後に店に来て下せィ。…アンタにまた逢いたいんでさァ』
艶っぽい声色で囁いた。
三日後、**は店を訪れSOUGOを指名する。
TOSHIは客を取られた事に腹を立て、SOUGOを睨んだがそんな事と気にも留めず**をテーブルにエスコートした。
その後も来店する度、様子を伺いながらさりげなく**にボディタッチを増やしていく。こういうタイプの女はがっついたら負け。だから少しずつ少しずつ自分に慣らす。
来店の度に手や肩や腰、時には両手で頬を包まれ至近距離で囁かれる事に、純情な**にとって恥ずかしいものだったが、心の奥で芽生え始めた
「もっと触れ合いたい。触れて欲しい」
という感情を隠せなかった。
うっとりと潤んだ目でSOUGOを見つめる**に、
「コイツは俺に惚れている」
そう確信した。