今日は美化委員会の活動日。中庭に数ヶ所ある花壇の手入れ。
服部先生と一緒に雑草を刈っていると不意に
『おいおい、**・・・そんなに乱暴にむしったら、いくら雑草とはいえ可哀想だと先生は思うんだが・・・』
どうやら、かなり乱暴に刈っていたのか雑草が散乱している。
呆然とする私をよそに、先生はその雑草をまとめゴミ袋に入れた。
『この前よりヒドイ顔してるぞ。・・・泣くほど草取り嫌だったか?』
そう言われた私は頬を触る。
指先が涙で濡れた。
先生に私の頭をポンポンと慰めるように撫でられる。
余計に涙が溢れてきて、先生は慌てふためいていた。
その姿が、あまりにも可笑しくて笑ってしまう。
落ち着いた私を見て、
『前にも言ったが、相談くらいのるぞ』
『先生って、優しいんですね。先生みたいな人と付き合ったら、毎日楽しいのかな?』
『俺はブス専だから、お前とは付き合わないぞ』
『何で私がフラれた感じになっちゃってんですか?≪先生み・た・い・な・ひ・と≫って言ったんですけど…』
『えっ?マジで告白されたのかと…うわぁ〜恥ずかしいな。お前の彼氏は…高杉だっけ?アイツは大変だろうな』
『最近、元彼になりました』
『…それで泣いてんのか。泣くって事は、まだ好きなんだろうなぁ。だから悲しくて苦しい。そういうの懐かしいなぁ』
先生は、昔を思い出したようで自分の恋バナを語り始めた。
ツッコミ所がたくさんあったが、男心というのを教わった。
『本当に好きな女には、なかなか手は出せないんだよ、大事にしたいから。男も可愛いだろ?・・・綺麗になったな、今日はもう帰っていいぞ。お疲れさん』
・・・可愛くないよ。(手が出せないから他の女で)って。
私は、彼が他の女子と会話してるだけでも嫌なのに。キスとか、それ以上とか・・・
そういう事をする晋助は大嫌い。
でも…好きなの。
晋助の隣にいたい…
我慢なんてしないで、自分の気持ちをハッキリ伝えていれば結果は違っていたのかなぁ…
**と顔を会わさなくなり数日経つ。
万斉に
『**を最近見かけないが、喧嘩でもしたでござるか?』
と聞かれ
『・・・フラれた』
と答えたら、近くにいた来島や武市、似蔵までもが驚いていた。
『私・・・**の気持ち解るッス。だって先輩、**という彼女がいるのに・・・他の女なんかと。最近笑ってなかったッスよ、**・・・』
『・・・確かにそうでござったな』
『ちょっと皆さん。男女の事はあまり口出ししない方が・・・。でも、いつも何か考え込んでるみたいでしたねぇ』
『・・・晋ちゃん』
コイツ等でさえ、**の変化に気づいていやがった。
『そろばん塾あっから、帰る』
自分が情けなくて悔しくて、反吐が出そうだ・・・。
prev next
back