JOY4 | ナノ
『スッキリした!!!』


家に戻り叫んでみる。

久しぶりに晋助に言いたい事を言ったからスッキリした。

今まで我慢して我慢して、そして・・・諦めた。

彼に対しては、悟りを開いたかのように接していた。

晋助と交際するってことは、そうならざる得ないという事。いちいち悩んでいたら心も身体も持たない。


自室に入り、椅子に座る。

・・・涙が、流れてきた。

その涙は、安堵から?

ううん、哀しみから・・・





昼休みに屋上で一人**を待つ。


『昨日の事は冗談で、晋助に構って欲しくて言ったんだよ』


と言ってくれるはず。


アイツは俺に惚れているはずだ。


と自分に言い聞かせながら待っていた。

さすがに、今日は言い寄ってくる女共を追い払って。

だが、**が来ることはなかった。



『本気で別れるつもりなのかよ・・・。』



**とはキスまでしかしていない。

ただ性欲処理に利用していた他の女とは違う。


…今更ながら酷い男だと思う。

自分の女ではなく、欲望のまま言い寄ってくる女に手ェ出してんだ。

しかも、嫉妬させるように見せつけたり…

何度か抱こうとしたが、あの笑顔を俺に向けるアイツには手が出せなかった。


怒った顔も、笑った顔も、時折みせる泣いた顔も愛おしかった。

アイツを大事にしたかった。

なのに…大事にするどころか傷つけてばかりいた事に後悔する。


『俺ァ、本気でお前ェが好きらしい・・・』


吸っていたタバコをもみ消し、空を仰ぐ。

俺の心とは真逆に、雲もなく澄んだ青空が憎らしかった。

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