『スッキリした!!!』
家に戻り叫んでみる。
久しぶりに晋助に言いたい事を言ったからスッキリした。
今まで我慢して我慢して、そして・・・諦めた。
彼に対しては、悟りを開いたかのように接していた。
晋助と交際するってことは、そうならざる得ないという事。いちいち悩んでいたら心も身体も持たない。
自室に入り、椅子に座る。
・・・涙が、流れてきた。
その涙は、安堵から?
ううん、哀しみから・・・
昼休みに屋上で一人**を待つ。
『昨日の事は冗談で、晋助に構って欲しくて言ったんだよ』
と言ってくれるはず。
アイツは俺に惚れているはずだ。
と自分に言い聞かせながら待っていた。
さすがに、今日は言い寄ってくる女共を追い払って。
だが、**が来ることはなかった。
『本気で別れるつもりなのかよ・・・。』
**とはキスまでしかしていない。
ただ性欲処理に利用していた他の女とは違う。
…今更ながら酷い男だと思う。
自分の女ではなく、欲望のまま言い寄ってくる女に手ェ出してんだ。
しかも、嫉妬させるように見せつけたり…
何度か抱こうとしたが、あの笑顔を俺に向けるアイツには手が出せなかった。
怒った顔も、笑った顔も、時折みせる泣いた顔も愛おしかった。
アイツを大事にしたかった。
なのに…大事にするどころか傷つけてばかりいた事に後悔する。
『俺ァ、本気でお前ェが好きらしい・・・』
吸っていたタバコをもみ消し、空を仰ぐ。
俺の心とは真逆に、雲もなく澄んだ青空が憎らしかった。
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