ハァ、ハァ…と息を整え、右掌の白濁液を見つめる。
溜息を一つ落とし、ズボンとパンツを上げ洗面所で手をゴシゴシ洗う。
真っ暗なリビングのソファに腰掛け、今度は大きな溜め息をついた。
時計を見ると、深夜11時になろうとしていた。
本当ならば、恋人の**と逢う約束だったが、大雨で中止になった。
逢えない寂しさから、恋人との情事を思い出しながら自慰行為に及んでしまったのだ。
**を好きになってからは、風俗に行かなくなった。
付き合ってからは、エロ本やエロDVDすら観なくなった。
自慰の妄想のお相手は、**。
つーか、**でしか、銀さんのギンギンさんは勃起しなくなっちまいました。
他の女なんざ目に入らねェ。
これが恋ってヤツか?だとしたら…恋ってスゲーな。
『あー、**に逢いてー』
徐に窓を開けると、さっきまで降っていた雨は止み星空が雲間に覗いていた。
受話器を手に取りダイアルをまわす。
『…あ、**ちゃん?あのよォ…今から逢いに行っていい?…うん、これからすぐ行くから。無性にお前に逢いたいんだわ』
君が俺に恋を教えてくれた急いで着替え、バイクで走る。
逢ったら抱きしめよう。
そして囁くんだ
『愛してる』
と。
END
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