今まで、誰かを護りたいと思ったことはない。
今は、**を、**との未来を護りたいと思う。
そんな事を考え俺は眠りにつく。
明け方、目を覚ますと隣の晋助はまだ寝ていた。
しばらく寝顔を眺める。
抱かれて改めて自分の気持ちに気づく。
…私は晋助を愛している。この人だけは失いたくない。
『フフ、可愛い寝顔して。…この左目で何を見ているんだろう?』
包帯をはずしている、見えていない筈の左目に触れてそっと口付けした。
すると晋助が眼を覚ましたのでギュッと抱きしめた。
『…甘えん坊だな』
『晋助にだけですよ。愛しています。』
満足そうに微笑んでいた。
程なくして、柊と桃が戻ってきた。
晋助が二人の為に船で祝言を挙げてくれた。
出席者は、鬼兵隊幹部と私と少人数ではあったが、温かくとても素敵な式だった。
二人の幸せそうな顔をみていたら、後ろから抱きしめられた。
『娘を送る親みてェな顔してっぞ?』
『桃は可愛い妹だもの。…泣いてしまいそうです。』
『…次は俺達だ。』
日を増すごとに鬼兵隊が慌ただしくなる。
何でも宇宙海賊春雨との取引の為だとか…。
私には、あまり仕事の事は知らされていない。私も聞かない。
ただ、皆が無事に帰って来てくれるのを待っているだけ。