決闘まであと数日にせまった夜、私は晋助に呼ばれた。


『どうだ、調子は?』

『今は…勝つ事だけ考えています。私がやってきた事をすべて出すだけ。』

『お前ェは、頑張り屋だ。自分を信じてやれば勝てると俺ァ思ってる。俺も立会うから負けんじゃねェぞ。』

『…血塗れの私を見たら嫌いになるんじゃないですか?』

『ククッ‥そんな事気にしてんのかァ?
いくら血に塗れようが、地に這いつくばって泥にまみれていようが、お前ェはお前ェだ。
嫌いになるわけあんめェよ。
…また一緒に月を眺めろ、命令だ。』

彼は少し寂しそうに笑い、私の肩を抱き寄せた。



決闘前夜、私は一人小高い所から月を眺めていた。

腰に青龍を差している。徐ろに鞘を抜き、月の光を浴びせる。

青白く光り輝く…

『美しい…』

血で汚すのは惜しいほどに。明日私はこの刀と共に…血に汚れる。

この刀に魂を喰われて、私は修羅と化してしまうんだろうか?


決闘当日の早朝、**は首に銀時達から貰った御守がかけ、腰には師匠から頂いた刀と青龍を差す。

身支度を終え玄関の戸を開けると、万事屋の三人が立っていた。

『私達も行くアル!』

『そうですよ!絶対一緒に行きますからね!』

『ワン!』

『邪魔になるから‥と思ったけどよ、コイツ等がどうしてもってさ。何だ‥その‥俺達は仲間だろ。仲間が戦うんならよ、声援ぐれぇ送りてぇだろ?』


『馬鹿な奴らだと思うが…いい仲間を持ったな。』

『良かったね、**。』

『…もう!これからって時に泣かせないでよ!じゃ、皆で行くよ!』


朝日に照らされながら6人と1匹が心を一つにして、歌舞伎町を駆け抜けていく。







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