ざっと観て、100、いや200は居るだろうか?
―一体どうやって感知したんだ?
僕は、生物の発する独特の臭いなどは発していないはずだが・・・?
ウルズの言うとおりだった。
ウルズは、マシンセルという機械の細胞で構成される人造人間である。
人体の8割は機械に近い物質で出来ており、2割ほど人体に近い物で構成されている。
2割と言っても、表面の皮膚等が人間に近い柔らかいものになっている程度で、
人間が発する臭い等は殆んどないはずだ。
確か、聞いたことがある。
人間の身体の中で一番美味しい部位は、脳だとか。
昔仲間と見たホラー映画でそんなような事を登場人物が語っていたのを思い出した。
確かに、僕にも脳はある。
さすがに、自分の頭部等開いてみた事はないのでどういう物になっているかなどは知らないが、
機械の細胞という、有機物質で構成されている自分の身体を見ると、脳も有機物質なのだろう。
―しかし、人間に近い脳を持っているだけというだけでこんなに大量に感知し集まってくるものなのか?
それに、脳など頭蓋骨に覆われた奥にあるものだ。そんな物どうやって見分けると言うんだ・・・?
考えれば考えるほど訳が分からない。
しかし、彼らは考える暇など与えてくれるわけはない。
ウルズは、今はただ彼らからどう逃れるかを考える事にした。
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