一方その頃、ウルズ達は教会まで戻ってきていた。

「へぇ、ここが教会か。立派な教会じゃない?」

リズナがそう言うと、ウルズは教会のある異変に気付いてしまった。
そのウルズの、様子にラヴィは尋ねる。

「どうしたの、おにいちゃん??」

「・・・・」

ウルズは、教会の見張り台を直視する。

「見張りがいない」

「え?」

リズナが、そう言うとウルズは真剣な表情をし

「あの場所には必ず見張りが居たんだ
確かに今は遅い時間ではあるが、遅い時間だからこそ見張りを立てるべきだ。」

「確かに・・・。就寝中こそ危険だしね、でも一体どういう事?
見た感じ教会の外壁には壊れた場所もないのに・・・・・」

リズナが不思議そうな顔をすると、ウルズは一番の悪い予想をしてしまった。

―まさか・・・・!

「一刻も早く、中へ入って確認しよう・・・!」






アンサズは、今まで見た事のない巨大な百足に襲われていた。

―!!

アンサズは華麗に避けると、ムカデはカチカチと口を鳴らし彼を威嚇する。

―この巨大さは、予想外だねぇ・・!

あの壊れたゲージより遥に大きいその巨体。
こいつが入っていたのかは知らないが、なんらかの関係があるのはきっと間違いないだろう

百足はその巨大は胴体と無数に生えた脚を動かし彼を襲う。

―これに捕まったら、さすがに僕でもただじゃ済みそうもないね・・・・!

2メートルはあるその巨体が彼を捕食しようと、攻め来る。
戦闘場所を広く使いながら、避けていくがこのままでは持ちそうもない。

―一旦退いて、体勢を立て直すか・・・・

アンサズはそう言うと、近くにあった消火器を使いムカデに使う。
そして目くらましにし、近くに入り口のある蜘蛛エリアへ逃げ込んだのだった。

「ここも安全とは言い難いけど、あの巨大百足に比べれば断然ましだね」

アンサズ、足元に集まる蜘蛛を見ながら呟いたのだった。
そして、この蜘蛛達も凶暴化している為彼を捕食しようと噛み付こうとしてくる。

アンサズは、そんな蜘蛛を躊躇いなく踏み潰した。

「めんどくさい事になる前に、さくっと大温室を捜索してここから脱出しちゃおうかな。
あの百足殺した方が良いんだろうけど、殺すのも結構時間かかりそうだし」

アンサズはそう呟きながら、蜘蛛を構わず踏み潰し大温室に繋がる扉のある場所に立つ。

―・・・・あの百足だけが巨大化してるのかな。

そんな事をふと思うと、アンサズは壊れたゲージに目をやる。
どうやらタランチュラが飼育されていたようで、その名前があった。

―こっちもかなりの大型じゃないか・・・・
大抵大きい固体の虫は、毒性はそんなに強くない。
けど代わりに刺されたときの傷によるものの方が強い。

アンサズは考えた。

―けれど、あの大きさだ・・・。
どちらも非常に強力と見て、間違いないだろう。全く、厄介な所に来ちゃったねぇ・・・・

アンサズは、そう思いながら大温室に進入していった。



「・・・・!?」

スリサズは、辿り着いた場所で驚愕の光景を目にした。

それは、動物達が虐殺・・・いや無残にも食い散らかされていたのだ
しかも、檻は壊され無理矢理引きづり出されたような形跡まである。

「なんだよ、これ!?」

ゾンビたちの仕業だろうか?
いや、だがゾンビの仕業にしては、あまりにも汚い食い散らかし方だ。
屍骸を見てみれば、鋭い牙で噛みつかれたような痕がある。

――・・・!

スリサズは、近づく何者かの気配に身構えた。



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