「ところで、さっきから一言もしゃべらないねぇ。ちゃんとリズナ来てるかい?」

アンサズが、後ろを振り向く。
そして、スリサズも

「お前が何も言わないと、薄気味悪いな。一体どうし・・・・」

「!」

2人が後ろを振り向くと、そこにはリズナの姿は何処にもない。
辺りを探し回るが、人の影は何処にもない。

「一体何処いったんだい!?」

「この状況で逸れるなんてどういうことだよ!?」

先程の場所からまだ5メートルほどしか進んでおらず、
街灯の明かりもまだ確認できるほどだった。
そんな場所から、普通に考えてはぐれられるわけもなく
この状況から考えて彼女が自分からどこかへ行ったとも考えにくかった。

「浚われた・・・かな」

「かもしれない。しかし、何の気配もしなかったぞ・・・」

「そういえば、さっき機械音が聞こえたんだよねぇ。
そんな近くなかったから一応無視してたんだけど」

「はぁ?! アンサズなんでそう言うことは早く言わないんだよ!」

「いや、この時代に空中でマシンが飛行するのは普通だし、
そんな驚くような事でもないかなって思ったんだよ。
けど、この街は無人だし滅多に上空もあまり人が通らない所だったね・・・・」

「そうだよ!アンサズ、君はいつも肝心な所で甘いんだよ!」

「それは、君も同じだろ?」

アンサズとスリサズがちょっとむきになり口論していると、少し落ち着いたアンサズが

「それより、今はリズナ探索を優先すべきだね。
ウルズなら一人でも余裕だろうし。
というか、僕たちが居て、リズナが浚われたなんて知ったら、
ウルズきっとすっごく怒るだろうしね・・・・」

「あ、ああ・・。何かあったなんて聞いたら僕達の命の方が危ない」

2人は、怒り狂ったウルズの顔を想像し、身を振るわせた。

「「なんとしてでも、探しださなければ・・・・・・・!」」

2人は顔を見合わせリズナ探索を優先する為、再度街に入っていくのだった。


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