6話


そして、ウルズが調度指導者に話を聞いている頃
アンサズ達が、この街に到着し広場でのゾンビ達を振り切り、別の場所に到着した頃だった。

「一体なんだ、この街・・・!」

「・・・まさか本物が存在してるとは」

「分からないけれど、身体は腐敗して、腐臭まで臭っていたからねぇ・・・
人間ではないのは間違いなさそうだよ」

街灯が一本だけある場所で先ほどのことを話している所だった。

「で、奴ら追ってきてる?」

「今の所は平気そうだな。数は多そうだけど、足は鈍足のようだ」

「じゃあ、僕らくらいの身体能力の持ち主なら、走れば逃げ切れる位か」

「困ったわね
軍に応援を頼もうと思ったけれど、全く通信機が使えないわ。」

リズナがそう言うと街灯を見て、

「それに、視界もかなり悪い
外灯があるところなら多少ましだけどね」

そう言うと、アンサズが

「念動力使えばいいだろ?
能力使えば、周囲の敵くらいの察知は君なら簡単に出来る筈だけどねぇ?」

「この状況で、体力を消耗するような能力使えって?冗談でしょ?」

「確かに、この状況じゃなるべく体力は温存すべきだね。
安心すると良いよ。君くらい僕達が守ってあげるさ」

アンサズが、そう言うとリズナが苦笑を浮かべて

「守る?
またまたご冗談を。
自分の身くらい自分で守れるわ」

その様子を見ていたスリサズが“相変わらず、可愛げのない女”と思いながら

「とりあえず、今はウルズを探すことを優先すべきじゃないのか?
それに、まだ生存者が居る可能性もあるだろ。
それにこの街がなんでこうなってるのか調べる必要もある」

そう言うと、2人は頷きアンサズが言う

「まず何処に向かうべきかねぇ・・・。
ウルズならきっと外部と連絡が取れる場所に行くだろうけど、
電話も繋がっていない所か、通信機も全く通じないからねぇ・・・。」

「電話会社とかなら、直接電話とかできるんじゃない?
電話はそこが管理しているはずだし」

リズナがそう言うと、アンサズが

「確かにそうだねぇ、一応そこ行ってみるかい?
無線がある場所を闇雲に探すより的確だろうからねぇ」

「よし、じゃあそうするか。」

2人は歩き始める。
リズナも遅れて歩き始めるが、
何やら車のような音が聞こえてくるのを後ろから確認する。

「? エンジン音・・・?」

リズナが振り向くと、そこには黒い影。

「!?」

黒い影は、リズナの口を布で押さえ込むと、身体を拘束し身動きを封じた。


―こ、こいつら・・・!?


リズナは抵抗するが、どうやら布に何やら薬品を染み込ませて居たらしく
リズナは抵抗する事も出来ず、意識朦朧になってしまったのだ。

意識が半分以上飛んだリズナは謎の人物達は、トラックの荷台に積み込みどこかへ走り去ってしまったのだった。


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