<数時間前>

アンサズ達は、予定通り夕方には目的に着いていた。
そして、ウルズから救難信号があった場所でなにやら色々相談していた。

「ウルズは何処いったんだろうねぇ?」

アンサズが、ウルズの青いベルゲルミルを見ながら言う。
そして、スリサズがそのベルゲルミルのコクピットを確認しながら

「通信機が置いてあるぞ?これを置いてどこかに行くなんて一体どう言う事だ?」

そんな話をしていると、周囲を確認してきたリズナが戻ってくる

「整備士さんと一緒にその辺見てきたんだけど」

「どうだったんだい?」

「なんか数キロ先に街があるみたいなの。若しかしたらそこに行ったのかも」

「街か。確かにここに居ないならそこにいる可能性が高そうだねぇ?」

「どうする?行ってみるか?」

スリサズが、そう言うとアンサズは、ベルゲミルを見ながら

「そうだねぇ。森の中も危険だろうし、街の方が安全かもしれないね」

「確かにそうだな。リズナ、整備士を呼んで来るんだ。
ウルズをほおって置くのあれだし、日暮れまでにはまだ少し時間がある。多分、日暮れまでには街に着ける筈だ」

スリサズが、そう言うとリズナが頷き整備士たちを呼びに行った。

街に着くと、日は落ち始めうっすらと明かりが有るほどの暗さだった。

「・・・・」

街に居つくやいなや、スリサズがその様子に不満を漏らす。

「なんだ、この街。街灯は数本付いてるけど、民家にはないのか?」

確かにもう日も暮れ、当たりは薄闇だというのに街灯は数本灯っているが
民家や店には灯りが付いている様子はなかった。

「・・・・というよりも、人が居る気配そのものがしないねぇ?」

アンサズは、そう言うと近くにある店に近づいた。
そして、無造作に扉を開けてみる。
その様子にリズナが

「ちょっと、黙って開けたら失礼でしょ」

「店なんだから、問題ないだろう?」

「確かにそうだけど、閉まってるって事は何かの原因でお休みしてるかもしれないでしょ?」

アンサズが、はいはいと言った様子でリズナを適当にあしらうと、
アンサズは構わず店内に入っていく。
その後を、スリサズとリズナが着いていく。

アンサズが、足を止めた。

「どうしたんだ?」

スリサズが急に足を止めたアンサズに尋ねた。

「荒らされた形跡があるねぇ」

その言葉にリズナが、周りを見るが日も落ち始めているので確認は出来なかった

「ちょっと、私の目では無理ね。殆んど見えないわ」

そう言うと、リズナは手を置いていた壁にスイッチを発見する。

「あ」

「どうしたんだい?いきなり?」

「外の街灯が付いてるって事は、電気点くかしら?」

スリサズが、その言葉に

「試して見ればいいじゃないか?」

「そうね」

リズナはそう言うと、電気を点けてみる。
すると、店内の電気は点き一気に明るくなったのだ。

「あら、点くじゃない?」

「・・・けど、なんだい?この街は?」

アンサズがそう言うと、窓を見る。
そして、他の家や店に明かりが点いていない事を再度確認する。



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