5話
もう何時間前にここに着いただろうか?
いや、いつからここに居たのか?
暗闇は彼女を襲い、闇は死を呼び寄せる。
己の命を狙う者達を必死に駆逐しながら彼女は
ただ
生きることを考えた。
―――!!
幸いこの施設には電気が通っていた。
彼女はそれに偶然気付き、明かりを灯したのだが・・・・
彼女が明かりをつけた途端、巨大な昆虫が彼女の襲い来る。
―ちっ・・・!
どうやら見た目はでかい蝶・・・いや、蛾のようだ。
しかし大きさは半端ではない。
いや異常だった。
バンバンッ!
彼女は、銃を乱射する。
蛾は数匹飛んでおり、鱗粉を撒き散らしながら彼女に降りかかる。
彼女の頭と同じ・・・か、それ以上ある大きさであり、どうやら彼女の血液を狙っているらしい。
―聞いた事がある。
確かロシアかどっかで血を吸う蛾が発見されたんだっけ・・・
確かにあの蛾も大きかったけど、こんな大きさじゃなかったはずよ・・・!
しかも、ニュースで見た蛾とは全く違う色をしており、こちらの方が色鮮やかだった。
カチッ、カチッ・・・・
―チッ、こんな時に・・・!
彼女の持っていたハンドガンの弾が切れる。
蛾は彼女のそんな隙を見計ったのか一気に襲いかかった。
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