ウルズは、病院内をラヴィと2人で歩き教会へ向かっていった。
ここまで来るのに、何体かの人の形を成すモノに出くわしたが、
ウルズはラヴィを護りながら簡単に蹴散らしてきた。

今倒したばかりの屍も、一番最初にあったときの物と同じように、
痛みを感じずただ獲物に襲いかかかるだけのものであった。

しかし、ウルズが直ぐ先に感じた気配はこれまでの物と、
先程戦ったモンスターとも違う感じのものであった。

ウルズはラヴィを下がらせ、敵を確認する。

―・・・・看護婦?

目に入ったのは、ナース姿。

どうやらこの病院で働いていた看護士だろう。
しかし、見る限りどうやら外に居るような生きる屍化しているようである。

―こいつも始末しないと先に進めないか

ウルズはそう言うと、戦闘態勢に入る。

戦闘攻撃を仕掛ける為勢いよく走り出したが、
ナースの思い掛けない行動に攻撃の瞬間を見失った。

ナースは、ウルズに気付くといなたや突進してくると予想していたのだが
その場から動かず、なんと足を伸ばして攻撃したのだ。

―!!

ウルズは、天井を足場代わりに避けると、ナースの手は追いかけてくる。
ウルズは、上手く避わしながら、相手の隙を探る。

―近づいてみるか・・・・!

ウルズは、わざと近づくと今度はナースは大きな口を開いて噛み付いてくる。
その口は、牙が無数に生えており歯肉からは触手のようなものまで生えている。

口から短い触手でウルズを捕らえようとするが、ウルズはナースの胴体を蹴り飛ばす。

―遠距離、近距離両方できるわけか・・・

恐らく手は、伸ばせるだけではなく通常の状態で打撃も可能だろう。
口の方は、噛み付き攻撃も、触手での攻撃も可能なようだ。

―間違いなく、外に居る屍達と同じタイプではない。
この動きからして、知能も知性も持っている・・・・!

先程のモンスターも知能も感覚も持っていた。
恐らくこいつも知能と感覚を持ち合わせているだろう。

どうやらこの街には、少なくとも、大きく分けて2種類の怪物が存在しているらしい。

知能と知性そして感覚を持つ怪物。
知能も感覚も持たない怪物。

細かく分ければ後何十種類もの怪物が存在しているに違いない。

知能を持たない怪物は、ワンパターンな攻撃方法だが、知能がある怪物はそうではない。
間違いなく、敵に回すと厄介なのは後者だろう。

―知能がないならば、簡単に打撃で倒せるんだけどね・・・。
こいつは近づくのも容易じゃない。

ウルズは、今までなるべく温存していた銃を持った。
そして、伸ばしてくる手にむけ、2発打ち込む。

片腕に1発。そしてもう片腕に1発。

ナースは、痛みからか一瞬怯むと、ウルズはその隙を見逃さなかった。
怯んだ隙に、駆け寄りきつい一撃を与える。

グギャアッ!!

ナースは雑音交じりの声を上げ、その場に倒れる。
ウルズの一撃は、鋭く重く普通の人間なら即死に相応する威力だった。
そんな威力の一撃を食らったのだから、ナースの牙は数本折れ触手の何本か千切れてしまった。

ナースの胴体は、凹みそこから大量の血液が流れ出している。
しかし、それでもナースには息があるらしく茂垣苦しんでいる。

―・・・・・

ウルズはそんな様子を見つめた。
放って置けばこのまま力尽き勝手に死に絶えるだろう。
しかし止めを刺さなければ、再生能力があったりしたならば復活してしまう。

―・・・・この怪物は一体何なんだ・・・?
動く屍達は、何となく予想は出来る。けれど、この怪物達は一体・・・?

嫌でも考えてしまう。
本当はそんな事予想もしたくないのに。


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