「一体どんな予感がするんだ?」

護送機の中でスリサズが、リズナに対し訊いた。

「そんな事より、どうしてあなた達ベルゲルミルを置いてきたのよ・・・・」

リズナが呆れ気味に言うと、スリサズが

「施設の連中は、僕らの生身の戦闘能力が欲しいんだろ?じゃあ、ベルゲルミル要らないじゃないか」

自信満々に言うスリサズを見て、リズナが深い溜息をつく。

「あなた達が、上官にそんな事言うから私のヴァルキュリアも一緒に後から送られる事になっちゃったのよ?」

「別にいいんじゃないかい?最近は到って平和だしねぇ。つまらないけど」

アンサズもそう言うと、リズナがまた溜息をつく。

「あなた達平和ボケしすぎじゃないの?
確かに、平和はいい事だけど、起動兵器は万が一の事も考えて常に
傍に置いておくべきだと思うわ。
最近じゃ、軽犯罪だって起動兵器が絡んでる時代なんだし」

「たかが素人の操縦技術、起動兵器なんかなくたって問題ないさ!」

「そうだねぇ。素人の操縦は隙が多い。あんなの生身で十分だよ」

アンサズも、スリサズも自信ありげに豪語する。
その様子を見て、リズナが「何言っても無駄ぽいわね」と反論をやめるのだった。

「で、何の予感がするんだい?」

「あー、それね、わからないの。凄い胸騒ぎはするんだけど・・・。一体何かしら・・・、て!
だから起動兵器はちゃんと持ってくるべきだって、言ったじゃないの!」


「そんな事言ってたか?」

スリサズが、アンサズに確認する。

「や?武器は用意しとけとは言われたけどねぇ。起動兵器とは聞いてないよ?」

「武器=起動兵器は常識でしょう!?あなた達、それでもスパ○ボのキャラクター!?」

アンサズがその言葉に耳をふさいで、

「何も聞こえないねぇ。
まあ、マシンナリー・チルドレンが2人も居るんだ。大抵のことは全く問題にならないよ」

「ああ、そうだな。それにお前も僕達程じゃないけど戦闘能力はある。
しかも、自由自在に能力を扱える念動力者と来た。
これだけの戦力が有れば、その気になれば国のひとつやふたつ簡単に落とせるぞ?」

スリサズが、笑いながらさらっと怖い事を言ってのける。
その笑顔にリズナが、頭を抱えながら

「そう言う、演技でもないことは言わないの。あなた達本当にやりそうだから怖いわ・・・」

そんな話をしていると、後ろに居た整備士の一人が

「お取り込みの中の所、すみませんが・・・、ベルゲルミルの部品の事なんですが・・・・」

「あ、すみません。今確認に行きます。
スリサズ、アンサズ、又あとでね」

リズナはそう言うと、整備士と後ろの席へ向かっていった。
リズナが去った後、アンサズがスリサズに話しかけた。

「で、スリサズ。君はどう思う?この施設の事」

「明らかにおかしいだろ。生身の戦闘能力が高い人材が必要ってだけで不信感丸出しなのに、
マシンナリー・チルドレンの僕らをご指名だ。しかも3人全員ね」

「ウルズだけ先に送られたって言うのも少し引っかかるねぇ。
あの時僕たちそんな重要な任務を受けていなかったはずなのに」

「うん。上部の連中でさえ研究内容や任務の内容を知らされてない。
しかも、ベルゲルミルも置いて来いって、言うのも明らかにおかしいだろ?」

「リズナにはその事内緒にしたけどね。
ウルズのベルゲルミルの原因不明の故障って言うのも関係ありそうだねぇ。」

スリサズが、少し考え、

「リズナは、あいつ自分から立候補したのか?」

「どうだろうね?、
彼女の生身の戦闘力も非常に高いからね。施設からのご指名の可能性もあると思うよ」

「・・・・戻ってきたら詳しく聞いてみたほうがよさそうだな」


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