「アンサズ、スリサズ。あなた達もウルズと同じ施設に派遣されるの?」
小柄で空色の髪をした少女が、少年2人に話しかけた。
「おや、リズナかい?そうだよ、もしかして君もかい?」
「いや。私はウルズのベルゲルミルが不調を起したって言うから、それを直す整備士さんの護衛するだけよ」
スリサズがそれを聞いて、
「はっ!本当はウルズが居るから行くだけじゃないのか?」
「いえ?」
「可愛げないねぇ…」
「早く準備するわよ」
アンサズと、スリサズに冷やかされても、動じないリズナ
全く可愛げのない少女に、やれやれと言った様子の2人だ。
「ところで、君あの施設について知ってるのかい?」
「施設の事は知らないわ。ただなんか超極秘な研究してるとか噂は聞くけど」
アンサズがそれを聞くと、冗談交じりの皮肉を言う。
「超極秘ねぇ?一応軍の施設なのに、軍内部にも極秘って反乱する為の作戦でも企ててるんじゃないのかい?」
それを聞いたスリサズも
「そうかもな!
危険な兵器でも作ってるかもしれないぞ。ばら撒けば、その辺の生命が死滅するとか!」
「そんなマシンセルみたいな兵器、そう簡単に作れないわよ。
マシンセルだって今は超厳重に管理しているはずだし、
マシンセル付で活動してるのなんてあなた達だけよ」
リズナは、アンサズ達の冗談に溜息をつき、時間を確認する。
「ほら、そろそろ出発する時間よ。準備は出来てるの?」
「ああ」
「じゃあ、私は整備士さん呼んでくる。1日と半日くらいで着くはずだから、あなた達もそれなりの準備しておくのよ」
「わかってるよ」
スリサズが、そう答えた後リズナが何かを思い出したように言った。
「あ。あと、武器大量に持っていったほうがいいかも知れないわ」
その言葉にアンサズが、意味が分からないといった表情で尋ねた。
そして、リズナが真剣な顔をしながら答えた。
「・・・・どういう意味だい?」
「わからない。・・・ただそんな予感がする」
「・・・君の力は良く当たるからねぇ。
言うとおりにしておくべきだろうね。わかったよ」
「ええ。じゃあ、呼んでくるわ」
リズナは、そう言うと部屋を後にした。
整備士の下へ向かう途中、リズナは不吉な予感を絶えず感じていた。
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