「全く…
どうして、こうも…
考えがお固いのかしら?」

リズナがウルズの言葉を止めた。

「あなたの言いたい事って、
とっても馬鹿な事だわ」

「…」

「自分の存在価値なんて
自分自身で決めるもの。」

「自分自身で…?」

「そうよ。
自分の存在理由なんて
『生きてるから』で十分じゃない。
それ以上の存在理由がある?」

「地球環境も管理できない僕達が…
そんな理由で…」

「まずその考えが間違いだよ。
君達はもう、
地球の管理者じゃないんだから、
そんなの関係ないでしょう?」

「…!」

「もう君達は、
システムに縛られない
1つの命なんだよ」

「システムに縛られない…?」

そうか…
僕らはあの日あの時既に、
地球の管理では
なくなっていたんだ

あの時に
存在価値を失ってしまったと
ばかり思いこんでいた

でも
それは考え方次第で変わるんだ。

僕らはメイガスと言う
システムから自立して
新たな人生を歩む

今はそう考えるのも悪くはない

「…存在理由は生きているからか」

僕達マシンナリーチルドレンは
ヒトに作られた
偽りの命かもしれない。

けれど、僕らは生きてるんだ。

偽りの命でも、
僕は今ここに存在している。

「すまない。
くだらない事を
聞いてしまったようだね」

「いいわよ。
こんな事で力になれるなら、
いくらでも聞いてあげるわ」

吹っ切れた表情のウルズに
スリサズが飛びつく

「ったく、心配させて!
どうなるかと思ったんだぞ」

「ほんとだねぇ?
ずっとこのままだったら
どうしようかと思ってたんだ」

「スリサズ、アンサズも…
すまない、迷惑をかけた」

ウルズはスリサズとアンサズを見る。

そうだ―…

僕らは生まれてきた。

人に作られしモノでも
命を持った。

     
―命がある―

ただそれだけで十分だったんだね。


僕らの星は腐っていない。
僕は人形でもない。
一つの命を持った生命だ

次は戦える…!
この星と、自分の為に…!

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