ウルズは言う。

「…でも、
僕らに今そんな気はないだろう?」

「それは・・ッ」

その言葉にスリサズが口を詰むぐ

「ならば…今は
彼らに任せてみようじゃないか。
今の僕達では、何も出来ない。」

「本当に君は変わったよ。
…僕達も、かな」

アンサズがそう言うとウルズは

「ナノマシンが
いつ拒否反応を起しても良い様に
船には、専属の者も
搭乗してくれるらしい。
今は何も心配する事は、
ないんじゃないかな」

そう言いおえると
ウルズは自分の胸に手を当て、
目を閉じる。




そうだ…
今この身体は
ヒトに助けて貰い
生き永らえている。

何もかも完璧だと思っていた
この僕らが、人に助けられて。

昔ならこんな状況
考えられなかった。

やはり…
僕らは何か変わったんだろうか

それとも
ただ…
壊れてしまっただけなのだろうか


「…お前達、そろそろ行こうか」


アイリスが船の前で待っていた。
どうやらウルズ達を待っていたらしい

「あ、ウルズさん達っ
搭乗準備は出来ましたか?」

「ああ。」

「わ、わかりましたっ
それじゃあ皆さんに
召集を掛けますっ」

「お願いするよ」

アイリスが召集を
掛けるための放送が鳴り響く。

「皆さんっ
そろそろ発進しますっ
乗組員は速やかに!
準備をお願いしますっ」

ウルズ達を乗せたイクズスは
地球に向け発進した。


おそらくこれから、
この戦艦は幾多の戦いを乗り越え
幾多の戦勝を上げるのだろう

そしてきっと
新たな伝説を…
作り上げるに違いない。

月でイクズスの発進を見守る
全ての人が心の中で
そう思った瞬間だった―…


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