「あなたは怖いのですか?」

「怖い・・?」

「ええ。人と触れ合うことを恐れているのでは?」

「・・・・人と?・・・・」



そんなこと考えた事もない。

人と触れ合うなど…
今まで考えた事もない。

今まで
深い冷たい地底の底に居たから。

周りにいるのは同じ身体を持った
兄弟達、そしてメイガスだけだった。

一人だけ人間がいたけど
彼の事は道具
としか見ていなかった。

と、言うより、
人間の事を
今まで
同等の存在だと
思った事がなかった。


「わかりません…
そんな事考えた事もなかった」

ウルズは今思った事を
正直に口にした。

彼は、少しずつだが
変わり始めている。
ウルズ自身は解らずとも、
周りの者達は少しずつ少しずつ
その変化を汲み取っている。

「…兄弟達の所へ行ってみます」

「ええ。
そうしてみると良いでしょう」

ディアナは
ウルズの言葉に優しく微笑んだ
ウルズはディアナに一礼し
兄弟の所へ向かった

「もう良いだろっ!
何回胴上げすれば気がすむんだ!
お前達はッ」

スリサズは回りの人間を
鬱陶しそうに追い払い、
人込みの中からでてくる。
その姿をみてアンサズは
ニヤケながら

「良いじゃないか
ヒトにこうやって喜ばれるのも
悪い気はしないよ?」

「けど、めんどくさいよ。
こんなの」

そこへウルズが加わり、3人は立ち話を始める

「お前達、調子はどうだい?」

「最悪さ!
人間に囲まれて胴上げ等と
言うものに巻き込まれて!」

「僕はなかなか楽しかったけどねぇ
こういう機会はなかなかないよ」

ウルズはその姿を見て

「なかなか楽しんでいるようだね。
所で誰かから、話は聞いたかい?」

「ああ…。戦艦を貰えるんだろ?
ここの連中は…
とんだお人よしだねぇ?」

「そうだ!
僕達がいつ牙を向くか解らないのに
ほいほいと僕らを信用して!
お人好しにも程がある」

スリサズとアンサズの話を聞いてウルズは考える



お人よしか…
今の僕も、昔の僕から見たら
そう見えるのかな


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