13話 人形が見せた希望の兆し 
そこは薄暗い場所。
とても人が住める場所とは
思えない程、暗くて寒い空間だった

その奥から、年端も行かないような
少年の声が響いた

「月の歯ごたえはどうだった?」

「上々でした…
ですが…
やはり邪魔者は居るようです」

「例の異質物達か」

「そこまでは分かりません…
ですが…
戦闘力が高いのは確かなようです」

「そうかい?
じゃあ次はアクリアに
地球の観察行かせよう
楽しみだね…?彼らの動きが」

少年の声は
どこか笑っていたようだった―…

リズナはディアナから
貰えるというモノを見て驚いた

「良いんですか?
ディアナ様…
こんなもの貰ってしまって?」

「ええ…
あなたがたはこれから
大変でしょうから」

その言葉にリズナは一礼し
その貰い物を一見する。

「この戦艦は確か…
私の時代では最新型の機体ですよ!
名前は、イクズス」

「はい、この間発見された物です
どうぞ御自由にお使いください、
それに…」

ディアナはその言葉と共に
後ろに集まっている大勢の人達を指差し

「彼らが
貴方方の力になりたいそうです」

その言葉にウルズは困惑する。

「力に?」

「そうです
貴方方は私達を護ってくれました。
そのお礼がしたいそうです」

「…礼を言われる事など
していないが…」

ウルズは大勢の人達を見る。

確かに彼らは
自分を護るために
行動を起しただけであり、
周りの人間の事など
考えてもいなかった。
だがその結果、ウルズ達は
沢山の人間の命を救ったのだ。

リズナはそんな大勢の人間を見て

「彼等
もしかしてイクズスに?」

「そのつもりのようですね」

ウルズは更に困惑気味になるが
大勢の人々は騒ぎ立て
その中から
2人の女の子が飛び出してくる。

その少女を見てウルズは、
何故か不思議な感覚に襲われる。
しかし、この時は
それが何かわからなかった。

「ほら、姉さん。
何か言う事あるんでしょ?」

「え、う、うん…」

桃色の髪と、髪の毛と同じ色の
洋服を着た彼女は
ウルズを見て顔を赤らめる

「あ、あの、わ…私…!
アイリス=フォルティッシモって…言います…!
あ、あの、そ、その…」

その姿をディアナが見て

「彼女は
貴方がたの船の船長を務めます」

そう言うとディアナは
アイリスの背中を押し、
アイリスは更に顔を赤らめる。

「よ、宜しくお願いします…っ」

その姿を見ていた
もう一人の女の子。
アイリスと姿はそっくりだが、
水色が特徴的の少女が喋りだす。

「私は、
レイティス=フォルティッシモ。
アイリスの双子の妹で、
あんた達の船の整備士。よろしく」


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