「ナノマシンは上手く
貴女方に定着した様ですね」

「その様です…
マシンセルは機能停止寸前ですので
拒否反応さえ
起こせないのだと思います」


言い変えれば
それだけ命が危なかった
と、言うことだ

でも…
僕らは確かに、
月の民と協力し、
人間と共存したんだ。



「これからどうするのです?」

ディアナが尋ねてくる。

「地球に…
ゾラに戻ります。
あの星の行く末を見届けるのが…
今の僕の・・・・・」

彼は一息ついて続ける。

「希望ですから…」

するとリズナが
人混みを押しのけやってくる。

「あ、やっと見つけた
ディアナ様…!
さっきの機動兵器…
分析してみたのですが」

リズナはそう言って女王に
データを手渡した

「やっぱリ…全く未知数なんです。私の時代でも…
あんなの見た事無いですし…」

「そうですか…
こちらも警戒を怠らないように
しなくてはなりませんね…」

「それに戦闘データが入ってます。
お役立たせ下さい」

そんなやり取りが終わった後
ウルズがリズナに話かける

「リズナ
僕達は地球に戻る
君はどうする気だい?」

「ナノマシンの様子を
もう少し見なくても大丈夫なの?」

「今の所良く馴染んでいる。
問題はない」

「でも…
完全に定着した訳じゃ…」

彼女が心配そうにウルズに言う、
しかし

「そうだね…
でも今のままなら大丈夫だよ
今の状態ならば、ナノマシンが
マシンセルの代用になる」

「でも、
本当に代用になるか
分かってからの方が…!」

「先ほど現われた者が
地球に現われた場合を考えれば
そんな悠長な事はしていられない」

「!
それって…?」

「地球は僕達の守るべき星だ。
君たちが勝ち取った星…
このまま壊されても良いのかい?」

「…人の為に戦うの?」

「人の為じゃない…」

ウルズは少し間をおいた

「この星の未来のために、さ…」

ウルズは、
色々な人達に囲まれ
人の心の温かさに少し触れた

その温かさは、彼を変えていく。

そして
マシンナリー・チルドレンとしての
考え方すらも変えていくのだ。

彼は今、
この星の未来のために。

自分が何のため、生きるか

それを確定しつつあった。

温かいぬくもりの中で
戦闘用人造人間として
作られた操り人形たちは、
人に少し近づいていく―…


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