分かってる
お前も死と言うものが
怖いんだろうね。

イレギュラー負けて
死を知ったあの時から

あれまでの僕らは
自分達が死ぬなんて
思いもしなかった。

必ず勝つつもりで居たから

僕達は『完璧』

そう、完璧だと思ってたのに。

答えなんか
今は出さなくて良い

今は、
生きる事だけを考えよう


「スリサズ、考えなくて良い
今は僕のいうとおりにするんだ」

「!」

スリサズはそう言われると
肩の荷が下りた様な表情で
ウルズの名前を呼んだ。

「・・・・決まったみたいだねぇ?」

アンサズが待ってました、
と言った表情で言う。

「ああ、月へ行く」

スリサズがウルズの顔見ると
安心させるように彼はこう言った

「きっと大丈夫さ。
僕達は新人類
マシンナリーチルドレンだ
きっとお前の悩んだ答えも
いずれ見つかる」

「…ウルズ…。
ああ、そうだね…きっとそうだ」

スリサズはそう言って立ち上がった

ウルズは今まで
兄弟たちを元気付けるなど
した事はなかったが
スリサズの様子を見て
とっさにこの言葉が出てきた

おそらくこれが、
彼の見に付けた『優しさ』

いくつもの感情は
次第に彼を包み込み、
その度に彼は成長していく。


壊れかけた心は、

新人類としての
誇りと自信

それらと
引き換えに
新しい何かを
手に入れようとしていた


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