10話 手に入りし物の代償
「全く僕たちが
何で買出しに何か・・・」
スリサズがトマトを
手に取りながら
ブツブツと言っていると
ウルズがその様子に
「仕方ないだろう?
ヨシマの体では、
ここまで来るのは大変なんだ。
動ける僕らが行くのが
礼儀と言う物だよ」
そんな言葉にアンサズが言う
「ウルズ、変わったねぇ?」
「そうかい?」
「ああ、ウルズが
そんな事言う日が来るなんて
思わなかったよ」
アンサズが驚いたように言うが
彼自身は自分の変化に
気づかないでいた。
前の彼なら、
大変だから代わりに買い物にいく
なんて言わなかっただろう
しかし今の彼は
優しさの一部を覚えた事で
徐々に変わろうとしていた。
「所でついでだから、
この辺を少し見て行かないかい?」
「かまわないよ」
アンサズの提案に
ウルズはそう言うが
スリサズは乗木ではないらしく
見る所なんかないだの
言っていたが
結局は着いて行く事となった
一方同時刻―…
「素晴らしい世界だ…
荒れ果ててはいるけど
皆が健気に生きている姿が
素晴らしい」
「ええ、人は可哀想ですね…
こんな荒れ果てた
大地の懐で生きて…」
「この世界に決めたよ
この世界を、僕ら
《神》
が再生しよう・・・・・」
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