「さぁ、行くよ。
多分直ぐ着くと思う
そしたらまた探索するわ」

「・・任せる」

彼の口数は元から
少なかったとは言え、
兄弟達に近づくに連れ
徐々に減っていく。
口数所か、
肩が小さくなっているのも
気づかれた居た様であった

少女は街に着く前に話しかけた

「ねぇ、君
2人に会うのが怖いの?」

「!!」

怖い?
そんな事考えもしなかった
でも確かに兄弟の事を考えると
身体は震え、
胸の奥が急に痛み出す。
これは怖い
という感情なのだろうか?

「怖いってのも何か変か。
何て言うのかな
君みたいな時・・・・」

少女は少し考え込む。
すると、思いついたように
声をあげた

「分かった!
不安なんだね」

「不安?」

ウルズは思わず口にした。

「そうだよ。
人はね、怖かったり心配な時。
時には嬉しいときにだって。
不安って感情が現れたりするのよ」

「嬉しい時にも?
わからないな・・・」

「勿論、出ない人も居るよ
人それぞれ」

「もしこれが君の言う不安なら
何故僕は不安に
なっていると思う?」

「それは兄弟が心配…
だからじゃないのかな」

「心配?」

―そうか。
さっきから僕のなかで痛む物は
《不安》
という感情なのか
その原因が兄弟を心配していると
言う証拠だとでも言うのか
あの時はこんな感情…

『壊れた物は破棄すれば良い』

  「僕の兄弟達…マシンナリー・チルドレンと
同じ様にですか・・・・?」

…いや、あの時から既に
僕は壊れていたのかもしれない。
あの時
確かに思った事があった。
あの時は
何かは分からなかったけど、

今なら分かる。

…そんな気がする。

「着いたよ」

少女がウルズに声をかけた。

「あれ?
多少はすっきりしたみたいね」

「…」

少女の言葉を無視し、ウルズは、無言でマシンから降りる。

「…全く、扱い難いんだから…
でも、まあ心配事も減ったみたいで
何よりね」

そんな彼に少女は言った。
ウルズはそんな少女を
見て質問をした。


「君は…
今不安だったりしないのか?」

「ん、どう言う事?」

《不安》と言う言葉を
少しでも知りたくて。
少女に尋ねる。

「君は今元の時代に帰れるか
分からないんだろう?
ならば不安なんじゃないのか?」

「んー。
なるようになる。
としか思ってないわね」

「不安がないと言うことか?」

「そう言う意味じゃないけど、
後ろ向きに考えてても
仕方ないじゃない?
人生前向きにいかなきゃね」

「…前向き?」

彼女の言う言葉は
一々理解できないことが多い。
前向きとは
人の言う
希望や未来の類なのだろうか

「この門で調べるから
その辺で待ってて」

聞いた事がある。
念動力と言うのは
乱用できるほど軽い力ではない。

この女はその能力を、
もう数時間で5回以上は使用している

おそらくかなり疲れているだろう
なのに少女は
この力を使用するのを
やめようとしない

どうして僕らの為にそこまで?
僕らは一度本気で、
命のやり取りをした
相手だと言うのに

「イーグレット!
大ニュース!
なんか病院にいるみたい」

「病院?」

「あー、えと病院ってのは」

「変な気を使わないでくれ。
それくらい解る」

「あ、そう?ごめんなさい」

「何処にあるんだい?
その病院は」

「そこの角を曲って直ぐ見たい。
行きましょう」

そこに、2人がいる。



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