邪神と化した神は、高々に笑った。
その幼く小さく、脆い者達を。
「フ、フフフ、アハハハハ!!」
「ライクレット・・・・!」
スリサズが、怒りに満ちた目で睨む。
「やっぱり、愚かだよ、君達は・・・・」
「ウルズは!?ウルズは、どうしたんだい!?」
アンサズも、ライクレットは睨みつけ、叫ぶ。
――ウルズさんは、自分の幸せをもう少し考えるべきですっ!
自分の幸せ・・・?だけど、それはずっと昔に考えて・・・・
――人間を絶滅させ、自分達だけの世界を作ろうとして失敗してしまった・・・ですか?
・・・・ああ。
――それって、本当に自分達の幸せを考えてやったことですか?
!!
・・・・それは・・・・
アンサズの言葉に、ライクレットはもう優しき笑顔とは思えない漆黒の表情で言う。
「ウルズ?ああ・・、さっき僕を道ずれにしようとした弱き命かい?」
「そうだよ!! お前だけ、助かってウルズだけ死ぬなんて!!」
スリサズの言葉に、ライクレットは笑顔、いやもう笑顔とは呼べない表情で言った。
「フフフ・・・、安心すると良いよ。彼なら、自爆直前に僕が取り込んだよ。」
「!?」
――今、幸せですか?
幸せ?
――今のウルズさんには、心から許し合える仲間が居ます。兄弟も居ます。
そして、あなた達を信じて助けに来てくれた人達も居ます。
・・・・ああ。
――それって凄く幸せなことだと思いませんか?
うん、そうだね・・・・
[ 223/240 ]← →
INDEX
[しおりを挟む]