「時間がない、くっ・・・」

ウルズが、結界を前に攻撃を続けていた。

「なんて強力なんだ・・・!あとひとつだってのに!!」

スリサズがそう言って、休まず破り続けた。
ライクレットはその様子を、じっと何も言わず見ていたが、残り1分過ぎたところでようやく声を出した。

「・・・きたか」

その言葉と同時に、遠くの空と大地に見える2つの影。
ライクレットの言葉を聞いた瞬間、ウルズ達もそちらの方を確認した。

「あれは・・・」

ウルズ達は、その姿を確認すると驚きを隠せなかった。
スリサズは大きな声を上げる。

「そんな、あれって!?」

それは、戦艦が2つ。
ディアナ・ソレルが指揮するソレイユと、フリーデンの姿。
そして、それらの周りには、2つのマシン。

ライクレットはそれを見て言う。

「待っていたよ。人の子達」

ウルズはその言葉に訊き返した。

「どういうことだ?」

「僕から言えるのは、人に最後のチャンスを与える、それだけだよ。
それとも、彼らがここに来たことかい?それは、直接聞けば良いさ」

その言葉を言い終えた後、ベルゲルミル2体の前に勢いよく現れる2体のマシンがいた。

「すみません、遅れてしまいました」

そう言ったのは、ヒゲを生やしたMS、ターンエーガンダムにのったロラン・セアックだった。
それに続いて、緑色の大雑把なマシンから威勢のいい声が響く。

「まったく水臭いよな。こう言うことしてるなら、主人公の俺にちゃんと言いなって!」

その2人の言葉に何がなんだかわからなくなってしまう2人。
そして、ウルズが言う。

「君達が、どうして・・・?」

ウルズは驚きを隠せなかった。
それらはリズナと同じくかつて、殺し合いをした相手だった。
それが、今ここにいる。

「そんなこと訊いちゃうの?まったく、こう言う美味しい場面は主人公が出てくるのは当然っしょ」

ジロンは、そう言って、ウォーカーギャリアでポーズをとって見せた。
そして、隣に居るロランはこう言う。

「細かい話は、後でしましょう。
ただはっきり言えるのは、僕達の星を守りに来た、それだけです!」

ウルズはその言葉に、

「君達は、僕らがここに居る事に何も思わないのか・・・?」

その言葉に、ソレイユに乗っていたディアナが言う。

「あの時、言ったはずですよ。私はあなたを信じる、と。
ここに居る者は全て、あなた方を信じて集いました。もう何も恐れる事はありません」

その言葉に、フリーデンを指揮するジャミルも言う。

「ああ。前の戦いの事を何も思わないと言えば嘘になる、
しかし、今はお前達を信じてここにたって居る」

それに便乗するように、エルチも言い放つ。

「そうよ!私だって来てやったんだから、しっかりしなさいよ!
それから、前の戦いの事はこの戦いでなかった事にしてあげてもいんだからね!」

その代表者達の声に、戦艦から声援が鳴り響いた。
ロランが通信を確認する。

「ガロード君が、リズナさん達と接触して、敵を倒したそうです!今なら、攻撃できるはずです!」

ロランがそう言うと、結界は破れアポカリプスに攻撃が通じるようになる。
それを見たソレイユが全軍に号令をする。

「最終目標、神・ライクレット!これが恐らく本当の最後の戦いです。皆よしなに」

ディアナがそう言うと、その場に居る全員が気合を入れ最後の戦いに身を投じたのだった。


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