ウルズとスリサズは赤道を目指していた。
彼らが目指す先の空は、薄暗く淀んでいた。
中心は稲光にも似た閃光が走り、まさに世界の終わりを思わせていた。
それは、あの場所に奴がいると言う事を物語っていた

「行くよ、スリサズ・・・!」

ウルズにスリサズが頷き、2人は全速でアポカリプスを目指した。




赤道の中心。


そこには神の姿があった。
空はどんよりとした色で、悲鳴を上げている。

「・・・ようやくきたね」

ライクレットが重たい声で一言いった。

「・・・ライクレット・・・。お前の好きなようにはさせない・・・!」

ウルズがそう言うと、ライクレットは手に持った懐中時計を目にする。

「・・・あと、12分」

「何の時間だ!?」

スリサズがそう言うと、ライクレットは目を閉じて静かに答える。

「世界が終わる時間までのタイムリミットさ・・・」

「なっ!?そんな事させると思っているのか!!」

スリサズがそう言って、アポカリプスに突撃して行く。・・・が

「!?」

それはウルズから見ても直ぐに理解できた。

「・・・無駄な事を」

ライクレットがそう口にする。

「はじ、かれた・・・?」

スリサズが、アポカリプスに殴りかかろうとしたとき、後少しの所で見えない壁に遮られたのだ。
それは凄まじい程強力な物だった。

「・・・この結界は、簡単には破れないよ。後12分、精精あがくといい」

「チッ、言われなくてもやってやるよ!」

スリサズはそう言って、結界を破る為猛攻撃を仕掛けるが、ほぼ無意味で、
それを見ていたライクレットは余裕の笑みを零していた。

「・・・スリサズ」

そんなスリサズの姿を見ていたウルズが言う

「なんだよ!!ウルズも手伝え!後12分しかないんだぞ!」

「・・ああ、分かっている」

「分かっているなら、手を動かせ!」

「闇雲に攻撃をしても無駄だよ。・・・恐らくどこかに結界を解除するヒントがある」

「・・少しかないっていうのに、探せっていうのか!?」

スリサズは、焦りつつもウルズと一緒に解析を始める。
その様子をライクレットは溢れる余裕で見つめ、こう言う。

「こんな状況でも、まだ諦めずに・・・、哀れだね」


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