その頃、リズナがようやく外界へ通じる扉を召喚に成功していた。
「3人とも、準備が出来たわ!行くわよ!」
「全く遅いんだよっ!2人とも、いくぞ!」
スリサズがそう言うと、今ままで殴りあいしていた土の女神を突き放し扉へ向かった。
アンサズをスリサズの言葉を聞くと、ライフルを片手に撃ちながら扉へ進む。
「ウルズ、行くよ!」
「ああ・・・!」
ウルズが扉へ向かうとすると、シャイルがそれを阻止する。
「行かせないと言ったはずです・・・!!」
シャイルはウルズに光線を乱射した。
避けながら、扉へ向かうウルズだったが4体の女神をシャイルを援護し始めた。
それを見たリズナが、ホーリーランスを使用し、無数の光の槍を召喚し女神達に放つ。
ホーリーランスと、女神達の猛攻がぶつかり激しい爆発を越した。
ウルズ達はその隙に、扉へと侵入するが女神達もそれ簡単に許すわけはなかった。
女神達も、一瞬の隙に扉内部へと進入したのだった。
一方その頃外界、ゾラでは―
ある場所で神兵器アポカリプスが佇んでいた。
しかし、異次元爆弾を設置するわけでもなく、ただそこへ佇むだけで何をして居る訳ではなかった。
そして、ライクレットはこう呟いた。
「地球、世界。またこの世界にさようならを言う日が来てしまったね・・・・」
呟きながら、ライクレットはアポカリプスから世界を見つめた。
その世界は酷く荒廃していたが、広大だった。
「・・・・後数十分か」
それは、12時10分24秒までの時間だった。
彼がなぜこの時間に拘るのか、それには訳があった。
それは、数千、いや数億年前かもしれない。
彼がこの世に始めて生まれ落ちた時間だった。
愛すべき世界に、初めて生を授かった日。
愛すべき世界を、初めて目にした日
彼は、再び広い世界を見つめ、何かを思うように瞳を閉じた。
丘だった。
そんなに大きくはないけれど、辺りが見渡せる事が出来る丘に少女は立っていた。
傍らには、彼女といつも苦難を乗り越えてきた愛機ヴァルキリー・ダークナイトが横たわっていた。
その巨人はもう二度と動くことはなくただそこにいるだけの鉄の塊になっていた。
少女は、空を見上げていた。
それは遥か遠く、赤道がある空だった。
「あなた達に、全てかかっている・・・・。だから、お願い・・・・・、負けないで」
少女はそう呟くと空に祈りを捧げた。
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