アポカリプスは、神々しく強い輝きを放っていた。
それは、まるで悪魔。この世の終わりを告げる邪神のような姿だった。

残る光は2つだった。

水色の光と、緑色の光。

緑色の光が水晶へ吸い込まれていく。

そして、アイリスの身体は薄れ行く。

アイリスの意識は朦朧としていた。
そしてただひたすら彼の、一番第好きな人の名前を呟いていた。

「・・・ズさん・・・」


アポカリプスは、また強い光に包まれた。
その様子をライクレットは、じっと見つめていた。
そして、アポカリプスの前へ立つ。
アポカリプスから、光から照射されその光の中にライクレットは入っていく。
そう、彼はアポカリプスに搭乗したのだ。

「・・・リス・・・ッ!」

声がした。
懐かしくて安心する声だった。
でも、きっとそれは幻聴。

「アイリス・・・!!」

「!?」

アイリスは確かに聞こえた声に、目を覚ました。

「ウ、ウルズさん・・・・?」

「アイリス!」

それは、紛れもなく彼だった。
白銀の巨人に乗った騎士が、神の住まう城の壁に穴を開けて囚われの姫の間に現れた。

「ウルズさん!?どうして、ここに!?」

アイリスはその優しい声に、安心し涙する。

「アイリス、今、今助ける・・・!!」

ウルズが、ベルゲルミルから降りアイリスに駆け寄った。
しかし、アイリスの体はもうほとんどが消えており、唐牛で顔が分かるくらいになっていた・・・

「これは・・・アイリス、どういうことなんだ!?一体・・・・!?」

消えいくアイリスの姿を見たウルズが、酷く驚きアイリスに言う。
そして今自分に出来る事を必死に考え、実行した
しかし、彼の努力も虚しく彼女は少しずつ薄れ行く。

「アイリス、今助けるから・・・!」

「・・・よかった、ウルズさん・・・・」

「何を言っている!?今、直ぐに・・・・!」

アイリスは、ウルズの名前を呼ぶ。
そして、静かにこう言う。

「私、最後にウルズさんに会えないのが一番の心残りでした」

「何を言って・・・・」

「ウルズさんに一言言いたい事があったから・・・」

「そんな事は後で良い!!君を助けるから・・・・!!」


必死に自分を助けようとするウルズに、アイリスは心の中でホッとした。

この人は本当に私の事を思ってくれていたんだ、と確認する事ができたから。


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