暗い場所
何もない場所に声が響いた。
『一緒にお花畑を見に行ってくれませんかっ?』
―この声は・・・私と・・・・
『いいよ、この戦いが終わったら・・・』
―ウルズさんだ・・・・・
優しい声。約束。笑顔。全てがあの時のままだった。
キラキラしてて、温かくて、楽しくて。
あの時は、きっと『幸せ』って言う言葉が似合う瞬間だったのだろう。
でも、その後すぐにソレは壊れてしまった。
『幸せ』
なんて儚いものだって、女神が言っていた。
『信じた』
モノなんて、それは全部嘘だって。
『世界』
は、怖くて、汚くて、醜くて、ずるいって。
『愛』
なんて偽りでしかないんだって。
ここは、そんな世界なのかな。
暗くて、寒くて。
でも、彼がいた世界は、違った。
見た目はどんなに荒廃していても、どんなに壊れていても、
生きる人達が、そこに希望を見失って居なければそこは楽園になれる。
彼はそう私に教えてくれた。
―・・・ウルズさん、会いたいよ
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