「ライクレット様、ご報告いたします…。シュヴァルツが異質物に負けたようです。」

「シュヴァルツ…、彼女も哀れな子だね…。」

ライクレットは少し悲しげな表情を浮かべる。

「精霊神の加護授かっていると言えど、所詮ただの人間です。ましてや絶望と闇に囚われたあの娘では
その力を完全に行使する事はできません…・」

シャイルがそう言うと、ライクレットは呟いた

「渇望、絶望、闇に囚われた天使か…、本当に哀れだね
それより、アイリスはどうなっているんだい?」

「只今、準備中です。彼女には、光を吸収して頂かないといけませんので…・」

「そうだね、アイリスは”アポカリプス”の核だ。
彼女が、光を吸収することで”アポカリプス”は、起動する。
”アポカリプス”起動後、異次元爆弾を使い、一気に世界を再生しよう…!」




「シュヴァルツ…・。あなたはここに居なさい」

「…ここに居てどうしろと…」

「私達がライクレットを倒す。あなたに見ていて貰いたい。
私の可能性、何も出来ないなんて言わせない」

「あなた…」

リズナはシュヴァルツに手を差し伸べる。

「…!」

「可能性が0じゃない限り…、いえ、0だって。
希望を信じて突き進む。それが私の心情でしょ?」

「ええ…、そうだった…。そうだったわね…」

「だから、私が…あなたの想い、繋いであげる」

「…本当に、私はあなたのそういうところが大嫌いよ…、恥ずかしいじゃない…」

そんなシュヴァルツの言葉にリズナは笑って見せた。


「リズナ。そろそろ準備はできたかい?」

「ええ!」

「では、頼んだよ」

ウルズ達はベルゲルミルに乗り込み、何もない空間を見つめていた。
そして、リズナがヴァルキュリアの能力を使う。

―――空間が歪み、裂け、異次元への扉が開かれる。

「開いた…。行こう、神の元に…!」

ウルズ達は、扉の内へ入って行った。
その背中をシュヴァルツはじっと見つめていた


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