次の瞬間
その場に、バチンと言う音が浸透した。

「…?!」

リズナが、シュヴァルツの頬を殴る。

「諦めない。私達は諦めない。あなただって、諦めなかったからこうして
この世界まであいつらを追いかけてきたんじゃないの!?」

「…それは…」

「あなたは見てきたのよね。他の世界があいつらに滅ぼされるのを。
なら、わかるはずよ。異次元爆弾はどこに設置されるの!?」

「お前…!まさか…」

「そのまさかよ。止めて見せる」

その言葉にウルズ達も

「そうさ!止めてやろうじゃないか!」

「そうだねぇ、ついでにアイリスも助けちゃおうじゃないか?レイティスもそれを望んでたしね」

「ああ、止めよう。僕達の全力を尽くして」

その自信溢れる姿にシュヴァルツは

「…あなた達、馬鹿よ…。勝てっこないのに…」

「やってみなきゃわからないだろ?」

「教えて、シュヴァルツ。
どこに設置されるの!?」

「赤道よ…」

ウルズがそれを聞くと、

「赤道か、いつ設置される?」

「今日から2日後…12時10分24秒」

すると、リズナは余裕の笑みで答える。

「2日後…。なんだ、そんな時間があるのね」

「!? 戦乙女…あなた…」

「2日後なら、今から乗り込んで、アイリスを救出してもお釣りが来るわよ!」

すると、スリサズも強きに言う

「そうだな!君がそんなに怯えるようなことじゃないさ!」

だが、その言葉にウルズが

「しかし疑問な点はある。その異次元爆弾とやらは、何故かこの世界ではすぐに使用しなかった?
シュヴァルツの世界のように、すぐに使用すればこんな手間のかかる事にはならなかったはずだ」

「確かにねぇ。アイリス達がトリガーだったとしても、野放しにせずずっと手元に置いておけば、
いつだって使用できたはずだよね。」

「って、事は…。この世界では使用できない訳があるって事か?」

「そう考えるのが妥当だね。それと、アイリス達を今まで放し飼いにして居た訳も何かありそうだ」

リズナは考え込む。

「でも、おかしいわ。そんなに重要な役割を持っているなら、機動兵器に乗せて私達に挑ませたりするかな。
万が一、私達がレイティスを見放して殺したりしたらどうするつもりだったのかしら?」

「確かにねぇ。そんな事しないって読んだ上の行動だと思うけれど。
そんなに大切なら万が一の事も普通考えるだろうね」

今まで話を聞いていたスリサズが、言う。

「そんな事はどうだっていい!今はアイリスを助ける事が先決だろ?」

その言葉にウルズが頷き、

「そうだね、リズナ。居空間の位置は把握できたかい?」

「ええ、問題ないわ、後はヴァルキュリアの力で空間に穴を開けて侵入すれば良い」

「じゃあもう準備は万全って訳だね?そうと決まれば早速行こうじゃないか?」

アンサズが余裕の笑みを浮かべて言った。
そして、ウルズも

「ああ!行こう、アイリスを救出する…!」



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