「く、凄い力だ…!!」
スリサズが、そう言うとベルゲルミルで一度地上に降りた。
「ああ、これは足を踏ん張っていないとあの穴に吸い込まれるよ…!」
アンサズも、そう言うと地上に降り足場を確保する。
そして上空にぽっかり空いた穴を見つめて、言う。
「2機のヴァルキュリアが揃いも揃って、空間に穴を開けてるんじゃ仕方ないけどねぇ…・!」
ウルズも、後から地上に降りてきて2人を気遣う
「お前たち、大丈夫かい?しっかり掴まっていないと吸い込まれてしまうよ」
「そうだね!それにしても、これから何を始めようって言うんだい?
2人で引っ張り合いっ子でも、する気なのかねぇ」
白と黒の乙女は、お互い一歩も譲らない。
お互いが、自分を貫く為。
今、自分のもてる全てをぶつけ合う。
「さあ。いくわよ、シュヴァルツ…!もう1人の私…!!」
「くるがいい。醜いもう1人!」
「思いを貫く決意、光を信じる心、希望を願う未来…!
此処に全て託す…!いけぇぇぇぇっ!!!!」
「絶望に変わる希望、闇しか見えない心、途絶える未来…。
世界はそれだけだと言う事を、今思い知るがいい!!!」
2人のヴァルキュリアから放たれた汚れなき思いと、絶望に染まった力。
今ここに2つの本来は相容れない物が交じり合った―……
[ 176/240 ]← →
INDEX
[しおりを挟む]