アイリスは、冷たい空間に一人。
レイティスの無事を、ただ、ただ祈り続けていた。
「お人形さん」
空間に響く声。
そして、浮き上がる複数の光。
1,2,3,4・・・・
赤、青、黄、緑・・・
と水色の光。
それは、5つ目の光。
「!!」
「どうやら、お気づきのようですね」
「まさか、それ、は…!」
「そのまさか、あなたの妹ですよ」
「ああ!どうして、どうしてなの!!?」
アイリスの瞳から零れ落ちる、無数の涙。
悲しい、寂しい、憎い、辛い。
様々な感情がこみあげる。
「…そのように泣く必要はありません」
「ど、うして!?レイティスが死んじゃった、んだよ!?
悲しくないわけないよ!泣くに決まってるよ!!」
「…そんなに悲しいのですか?
これから、あなたは神の本当のコマとして大いに活躍できるのですよ。」
「そ、んなの、いらないよっ!
レイティスを、レイティスを返してよッッ!!」
白き女神、シャイルは泣きじゃくるアイリスを冷たい氷のような瞳でじっと見つめる。
そして、少し篭った声で話し始めた。
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